ち行

Chī

中国において、山や沢に住んでいるとされる小さな龍のような存在。龍や蛟龍の幼体だとされる。岩や木陰のような湿った場所を好み、虫や小さな動物を食べ、あまり人目に触れる場所には出現しない。螭が湿った場所を好むのか、あるいは螭がその場所を湿らせるのかははっきりしないが、ある場所から螭がいなくなったがためにその場所から湿気がなくなったという話もある。

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斉不郎チィブゥラン

Zī-bù-làng

中国の少数民族、独竜(トールン)族における山の精霊。不郎の一種。

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チヴァト

Chivato

チリのアラウカノ族の伝承に登場する怪物。魔女によって捕らえられた子供たちが変容してなったエンセラドスがさらに変容したもの。人を食う人型の怪物で洞窟などに固まって棲んでいるとされる。彼らエンセラドスやチヴァトはインブンチェトレルケフエクヴェといった怪物たちから餌を貰って暮らしているとされた。

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チエ

Chie

コロンビア中部高地に住むチブチャ族における月の女神。文化英雄ボチカに逆らったためフクロウに変えられたが、それでもチブチャクンを助けて洪水を起こし、人間とボチカを困らせようとした。

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チェプコカムイ

アイヌにおいて魚の主とされたカムイ。名前は文字通り「魚の主のカムイ」の意。「チェパッテカムイ(魚を増やすカムイの意)」とも呼ばれる。アイヌ人が「カムイチェプ(=神の魚)」と呼ぶ鮭はアイヌ人の最も重要な食料源であったが、アイヌ人にとってあまりにも身近の存在であり、大量に採れる魚であるため、鮭自体には神聖や畏敬を見出さなかったらしい。その代わりに想定されたのが鮭の数を体現するチェプコカムイである。神謡ではチェプコカムイが口からこぼした鱗を撒くとそれが鮭の群れになるとされている。チェプコカムイは自身の顕現体を持たず、またアイヌ人の礼拝の対象としてのカムイでも無かったらしい。

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チェル

ニューギニアの先住民族に信じられている"虹蛇"ウングッドが伝わったものだと考えられている。

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チェルーベ

Cherruve

チリのアラウカノ族における邪悪な精霊達に対する名称。雷神ピリャンに仕えていたとされる。人間の頭を持った蛇の姿をしていて、流星や彗星を空に放つ。この流星や彗星の降る方向には病気などの災厄が起こるという。

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チェンレーシク

Chenrezig, sPyan ras gzigs

チベット仏教においてのアヴァローキテーシュヴァラ観音菩薩)。より正しくは「チェンレーシク・ワンチュク(sPyan ras gzigs dbang phyug, Chenrezig-wangchug)」、或いは「パクパ・チェンレーシク('Phags pa spyan ras gzigs, Pakpa chenrezik)」といった名前であり、それぞれ漢名での「観自在」、「正観音」にあたる。チベットの守護神、あるいはチベットの父だと信じられている。チェンレーシクは全ての魂を救済する願をかけ、自分の周りの全てを生き物を残らず救おうとしたがそれは出来ないことだと悟り、絶望のあまり自分の肉体を無数の破片にしてしまった。これに心を痛めたアミターバ(→阿弥陀如来)は彼の願がかなうように、数え切れないほどの頭と、千の目が手のひらについた千の腕を与えてチェンレーシクを生まれ変わらせた(→千手観音)。彼は自分の涙から生まれた女神ターラーとともに協力して魂の救済にあたっているという。

仏教をチベットに持ち込んだソンツェン・ガムポや、活仏とされるダライ・ラマはチェンレーシクの生まれ変わりだと信じられている。

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チェンレーシク・チャクシパ

sPyan ras gzigs phyag bzhi pa, Chenré zikchak zhipa

チベット仏教における観音菩薩チェンレーシクの一形態で変化観音のひとつ。「チャクシパ(phyag bzhi pa)」は「四本の御手を有する」を意味し、このため漢訳では「四臂観音(しひかんのん)」、「六字観音(ろくじかんのん)」(後述)、「六字世自在(ろくじぜじざい)」と呼ばれる。またチェンレーシク・チャクシパはネパールヤチベットで観音信仰の根本経典とされる「カーランダヴューハ(Kāraṇḍavyūha)」に説かれる六字真言「オンマニペメフン(om mani padmé hung)」の威力を仏格として表したものとされるため、「チェンレーシク・イゲドゥクパ(sPyan ras gzigs yi ge drug pa, Chenrézik yigé drukpa)="六字観音"の意」とも呼ばれる。

その像容は一面四臂で、一般的に左右第一手を青い宝珠を挟んで合掌し、右第二手は念珠、左第二手は蓮華を持った姿で表される。チベットでは最もポピュラーな観音像であり、単独で多数造像されるほか、「ジャンペルヤン('Jam dpal dbyangs, Jampelyang)=文殊菩薩」、「チャクナドルジェ(phyag na rdo rje, chakna dorjé)=金剛手菩薩(→執金剛神)」とともに「リクスム・グンポ(Rigs gsum dgon po, Riksum gönpo)=三部主尊」の一尊として、あるいは白ターラードゥルマ・カルポ)と緑ターラー(ドゥルマ・ジャンク)を伴った観音三尊の主尊として表される。

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道返之大神

ちがえしのおおかみ

日本記紀神話に登場する黄泉の神。「みちかえしのおおかみ」とも読む。古事記には他に「塞坐黄泉戸大神(さよりますよみどのおおかみ)」の別名が、また日本書紀には「泉門塞之大神(よみどにふたがりますおおみかみ/よみとさえのおおかみ)」、「道返神(ちがえしのかみ/みちかえしのかみ)」の名称の他に同神を指すと思しき「泉守道者(よもつちもりびと)」という名称が見える。伊邪那岐命が黄泉から逃げ帰ろうとした時に、現世と黄泉を隔てるために黄泉比良坂(よもつひらさか)に置いた千引石(ちびきいし)に与えられた神名。黄泉の穢れが現世に湧き出るのを防ぐ神であり、塞の神(村境や峠などに置かれる外部からの疫病や悪霊などを防ぐ神)の源流と考えられる。

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千方火

ちかたのひ

日本の勢州(三重県)に伝わる怪火。「諸国里人談」に拠れば、家城の里(現在の津市白山町の南西部)に現れるもので、川俣川の川上から挑灯(=提灯)ほどの火が川の流れに沿って下ってくるもので、水の流れより速いという。「諸国里人談」では続いて藤原千方がここに住んでいたことが記されている(つまり関連があるのだろうと匂わしている)。

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地官大帝ちかんたいてい

De-guān dà-di

中国道教における運命の神で三官大帝のうち第二位の神。正式名称を「中元二品地官赦罪大帝(ちゅうげんにひんちかんしゃざいたいてい)」、或いは「中元二品七気地官清虚大帝(ちゅうげんにひんしちきちかんせいきょたいてい)」という。大地や方位に関係する神々を統べる神であり、人々の行為を監督しているとされる。誕生日は中元にあたる7月15日だとされている。

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チキサニカムイ

アイヌにおいて「ハルニレ」というニレ科の落葉高木を顕現体とするカムイ。植物のカムイの例に漏れず、女性のカムイと考えられている。名前は「我らがこする木のカムイ」という意味で、その名の通りアイヌは火をおこす道具としてハルニレを用いていたとされる。神謡の中で重要なポジションを占め、「アイヌモシ(人間の世界)」やアイヌ人たちを創造したとされるコタンカカムイが国づくりのとき用いた鍬から生まれカムイとされたり、カンナカムイとの間に文化英雄であるアイヌラックを産んだとされる。

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チコメコアトル

Chicomecóatl

メソアメリカ中央部におけるトウモロコシ(メイズ)と植物一般を司る女神。「チコモロツィン(Chicomolotzin)」とも呼ばれる。語義は「7匹の蛇」。若く柔らかいトウモロコシ(=シローネン)、成熟したトウモロコシ(=シンテオトル)、年をとり乾燥したトウモロコシ(=チコメコアトル)という生命周期の一部を担っている。コデックス(絵文書)では通常赤く彩色された顔と体にバラの花冠状の頭飾りをつけた姿で描かれる。また彫刻ではトウモロコシの穂を持った姿で表される。

豊穣の女神であり、チャルチウィトリクエとシローネンを化身とし、「7のコアトルの日」を祝日とする。アステカの太陽暦上の第12暦月に行われる祭「オチュパニストリ」はこの女神に捧げられる。

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地上の忌むべき者や売春婦達の母たる、大いなる、謎めいたバビロン

Mystery Babylon The Great The Mother of Prostitute and of The Abomination of The Earth

チセコカムイ

アイヌにおいて「ハシドイ」というモクセイ科の樹木を顕現体とする男性のカムイ。名前は「家(チセ)を領有するカムイ」を意味する。ハシドイは芯が強く、家を建てるときに柱として利用されたので、チセコカムイは家の守護者と考えられた。

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ヂーヂーウヮーグヮ

沖縄県沖縄市地方における豚の妖怪。名前は「ヂーヂー(と鳴く)小豚」の意。人に害を成すことは無いが、捕まえて縛っておくと棺桶の切れ端になっているという。この為棺桶の切れ端は焼いて処分するべきだとされている。

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チチェバチェ

Chichevache

中世ヨーロッパの伝承や伝説に登場する、風刺的な女の怪物。名前は「やせた牝牛」を意味する。「ティングト(Thingut)」の名でも呼ばれた。痩せこけた牝牛の姿で、顔が人間の女性の場合もある。この怪物は「従順な妻」だけしか食べなかったためいつも飢えていた。しかし一方でチチェバチェの相棒で、「恐妻家の夫」しか食べないバイコーンはいつも肥えていたという。バイコーンとチチェバチェはこの時代の教会の家具の装飾などに描かれた。

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千々古

ちぢこ

怪談を集めた百物語本のひとつである「太平百物語」(1732)に紹介されている妖怪。ある城下の大手門(城の正面に位置する門)に出現する鞠(まり)のような形と大きさの妖怪だという。勇気のある侍が正体を暴こうと大手門のあたりを夜に見回っていたところ、噂どおりに鞠のようなものが現れて縦横無尽に飛び回っているのを見つけた。侍の頭上に来たところで刀で切りつけると地に落ちた。正体を暴こうと人を呼んで見てみると、それは中に鈴の入った本物の鞠だったのである。後から聞いたところによると、悪戯な者が縄に鞠を括り付けて宙に浮かせて動かしていただけだったという。「千々古(ちぢこ)」の名は「縮こまる」をもじったものか。

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智幢菩薩ちどうぼさつ

Jñāna-ketu

仏教において菩薩の一尊で賢劫十六大菩薩の一。サンスクリット名を「ジュニャーナ・ケートゥ(Jñāna-ketu)」といい、ジュニャーナは「知識」、ケートゥは「旗」などと訳せることから「智幢菩薩」と称する。また音写では「枳孃曩計都(きなのうけいと)」と呼ぶ。大智の幢幡を立てて戯論を破る徳を持つので智幢菩薩と称するとされる。金剛界曼荼羅の檀外の南方(左側)の4尊のうち西(上)から一番目に配される。

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チニンタンマ

Chinintammma

南インドの村々で信仰されている地方女神。家を司る女神とされる。

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チヌン・ウェイ・シュン

Chinün way shun

ミャンマーに住むカチン族において最も重要視されるナット。「カー(Ka)」とも呼ばれる。肥沃土に住む精霊で他の数多くのナット達を統制する立場にある。また超心理的な力を用いてカボチャから人間を創造したとされる。

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智波羅蜜菩薩ちはらみつぼさつ

Jñānapāramitā

密教における菩薩の一尊。サンスクリット名を「ジュニャーナパーラミター(Jñānapāramitā)」と称する。彼岸(悟り)に至る行法を「波羅蜜(はらみつ)」といい、波羅蜜を分類したうちの「十波羅蜜」のうちの一つである「智波羅蜜(ちはらみつ)=物事を的確に判断し迷わないこと」を仏格化したもの。胎蔵界曼荼羅の虚空蔵院の北側(左側)上段に中央より第一位に配される。その像容は左手を胸の前に掲げ掌を上に向け、右手は梵経を持ち読む姿で表される。
種字は「ज्ञा(jñā)」、密号は「円満金剛(えんまんこんごう)」、「円静金剛(えんじょうこんごう)」、「円浄金剛(えんじょうこんごう)」、三昧耶形は梵篋、経床。印相は両手の親指、人差し指、中指を立ててその先を合わせるもの、真言は「唵麼麼枳孃曩迦哩吽娑嚩賀」(智波羅蜜菩薩真言・T0852)。

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チピトカーム

Tcipitckaam

ネイティブアメリカンの一部族であるミクマク族に伝わる怪物。ネイティブアメリカンに汎的に伝わるホーンドサーペントのバリエーションの一つ。馬の頭を持った蛇の姿やワニの姿で伝えられているが、いずれにしても赤や黄色の螺旋状の溝がついた角を額から生やしている。ユートピア湖とエーンズリー湖に住んでいて、若い男に変身して人間の女性をさらい、湖に引きずりこんでしまうという。

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チピヤカムイ

アイヌにおける、羽衣神話ないし天女伝説に類する伝説に登場するカムイ。大地鷸(おおじしぎ)の姿で顕現する。川で水浴びしていたところをアイヌ人の男に見つけられて着物を隠され、裸を見られたチピヤカムイは男の妻になることを臨むが、結婚のためには兄であるアペメルカンチュウの試練を受けなければいけなかった。チピヤカムイの助けもあって見事にこの試練を突破し、チピヤカムイを妻にして地上で暮らす。しかし、カムイは必ず「カヌイモシ(カムイの世界)」に帰らなければいけないため、チピヤカムイは男の運命を操って代理のアイヌ人の妻をあてがって帰っていった。

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タチカカムイ

アイヌにおいて、クマゲラを顕現体とするカムイ。名前は「船をほる鳥のカムイ」といった意味。

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チブチャクン

Chibchacum

コロンビア中部高地に住むチブチャ族における労働者と商人の守護神。冶金職人達にとっては重要な神だった。しかし、チブチャ族の神話においては文化英雄ボチカを困らせるために月の女神チエの助けを借りて洪水で人間を滅ぼそうとした神として描かれている。ボチカの仕返しを恐れたチブチャクンは地下に逃げ、その日から世界を自らの肩に背負って支えるという重責を負わされることになった。

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道俣神

ちまたのかみ

日本記紀神話の神。「みちまたのかみ」とも読む。また「岐神」、「衢神」とかいて「ちまたのかみ」と読むこともある。「古事記」のみに見え「日本書紀」には(同種の道の関係する神として「道敷神(ちしきのかみ)」が記載されているが)言及されない。黄泉の国から逃げ帰った伊邪那岐命が、身を清めようと禊をした時に化生した神の一人で、伊邪那岐命が投げ捨てた袴から生まれ出でたという。神名は袴が二股であることから連想されたものであり、分岐する道にいて害意や穢れの侵入を阻止する神とされる。民間信仰における塞の神と同一視される。

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チミニガグア

Chiminigagua

コロンビア中部高地に住むチブチャ族における創造神。山々を越えて(おそらく太陽の)光を運ぶための大きな黒い鳥を創造したが、その他の創造はバチュエなどに任せた。

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チャイニーズ・リコポディウム

Chinese Lycopodium

チャク

Chac

マヤにおける雨の神で、また雨だけではなく雷、風といった気象全般を司っていた。アステカのトラロックに相当する。長い鼻と下方に突き出た牙、両目からあふれる涙が彼の象徴である。時に単一の神格ではなく東西南北を支える四柱の神として崇拝されたこともあった。この四神はそれぞれ「チャク・シブ・チャク」(東)、「エク・シブ・チャク」(西)、「カン・シブ・チャク」(南)、「サク・シブ・チャク」(北)と呼ばれ、四方位の風「パウアフトゥン」と同じように四方位に対応した色を冠している。雨はチャクの持つヒョウタンからばらまかれた水であり、雷はチャクの持つ魔法の石斧が振るわれた結果起こるものである。またチャクは「トウモロコシの石(maize rock)」を割り開きトウモロコシの神を呼び覚ましたともされる。トウモロコシはアメリカ大陸先住民にとって基本となる食物であった。

基本的に善神だが(恵みというには多すぎる)多量の水を撒き散らして大洪水を起こすこともあった。

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懌悦持金剛菩薩ちゃくえつじこんごうぼさつ

Suratavajradhara

密教における菩薩の一尊。サンスクリット名を「スラタヴァジュラダラ(Suratavajradhara)」といい、スラタは「性交」、ヴァジュラダラは「金剛を擁する」といった意味があり、「懌悦持金剛菩薩」、「適悦持金剛菩薩(てきえつじこんごうぼさつ)」と訳される。また「蘇羅都縛日羅駄洛(そらとばじらだら)」と音写される。自受法楽(自らの悟りの内容を楽しむこと)を司る仏尊とされ、胎蔵界曼荼羅の金剛手院の第三列(向かって右側)東方(上方)より第三位に配される。その像容は浅黄色の身色で左手は金剛拳を結び臍下に置き、右手は手の上に立てた独鈷杵を乗せ胸の前に置き赤蓮華に坐す。
種字は「हूं(hūṃ)」、「सु(su)」、密号は「慶喜金剛(けいきこんごう)」、三昧耶形は独鈷杵。

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チャク・パウアフトゥン

Chac Pauahtun

マヤにおいて、四方位から吹く風を象徴するパウアフトゥンの一人。チャク・パウアフトゥンは、赤(チャク)と東(リキン)を司っている。

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チャスカ・コイロル

Chaska-Qorlor

インカにおける金星の女神。呼称は「毛むくじゃら(蓬髪)の星」の意。マユ(天の川)に見られる発光星のひとつとして、若い女性と花を守護する。

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チャーナミード

Chahnameed

アメリカの北東部にすむネイティブアメリカンで、アルゴンキン語族に属するピクォート族に伝わる巨人。とてつもない食いしん坊であり、絶えず狩りと食事を繰り返していた。狩りの途中で見つけた若い美女を無理やり妻にして自分の小屋に閉じ込めたが、狩りと食事ばかりしていたため、その間に妻が排泄物と貝殻と絵具で作った何体もの魔法の人形に騙され、妻を逃がしてしまった。妻はカヌーに乗って逃げ、チャーナミードもそれを追いかけたが、妻は髪の毛を魔法で槍に変えチャーナミードに突き刺した。水中で倒れたチャーナミードは二度と起き上がらなかった。

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チャヌム

Chanun

北ミャンマーのカチン族(中国で言う景頗(チンポー)族)の世界創世神話に見える精霊。シクソープクリプクロープから、ウォイシュンという精霊とともに生まれた。ウォイシュンと一緒に天地の万物、また大地や空気や水の精霊、家庭や作物の精霊、病気の精霊を生み出した。またさらにゴーンワマガムを産みだした。

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チャームンダー

Cāmuṇḍā

チャラランマ

Challalamma

南インドの村々で信仰されている地方女神。バターミルクを司る女神とされる。

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チャルチウィトリクエ

Chalchihuitlicue

アステカ神話において川、および淀んだ水を司るという水の女神。若さと情熱の象徴ともされる。名前は「翡翠の淑女」ないし「翡翠のスカートの女」という意味。睡蓮で飾られ、拍子木(水神の象徴)を持ち、羽飾りのついた青い帽子、翡翠のネックレスやイヤリングといった装飾品を身に着けた女性の姿であらわされた。雨神トラロックの妻あるいは姉妹であり大洪水をもたらす。

チャルチウィトリクエは4つ目の太陽である「ナウィ・アトル(Nahui Atl="4の水"の意)」だった。大洪水によって世界は滅び、人類は魚に変えられた。そして人類は死を迎え、死の国「ミクトラン(Mictlan)」に送られた。死者たちはそこで次の世界で再び誕生する。チャルチウィトリクエによって何もかもが押し流された結果、大地は滋養に富み、やがて次の世界(つまり現在の世界)の生命を育む糧となった。

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チャルチウシワトル

Chalchiuhcíhuatl

アステカにおける収穫の女神

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チャルチウテコロトル

Chalchiuhtecólotl

アステカ固有の夜の神で、後古典期(AD.900~1521)の主要な神々の1人である(黒の)テスカトリポカと同一視される。名は「尊いフクロウ」を意味する。

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チャルチウトトリン

Chalchiuhtotolin

アステカにおいて、テスカトリポカの化身とされる神の一人。語義は「尊い七面鳥」。夜と神秘を司る神であり、アステカの260日暦(トナルポワリ)において暦日(センポワリ)の18番目である「テクパトル(火打石のナイフ)」を、また第17週の「アトル(水)」で始まる13日間を支配する。

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チャールマロウチ

Chaarmarouch

モロッコの伝説や信仰に登場するジンの王の一人。この直接的な名前を用いることは避けられ、通常「ディフ・エッレビ(Diff Errebi="高貴なお方"の意)」という遠まわしで丁重な言い方で呼ばれる。グーンダフィ山脈にある洞窟に住んでいる。目には見えないが巨大な怪物であるとされ、チャールマロウチの縄張りに近づく行為は危険で、続けざまに石を投げつけられ視界を失うことになる。

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チャルメカテクートリ

Chalmecatecuhtli

アステカにおいて生贄と地下世界を司る神。地下世界を支配するミクトランテクートリの化身とされ、13ある昼の時間をそれぞれ支配する「トナルテウクティン」の11番目とされる。

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チャンケス

Chanques

メキシコや中央アメリカ一帯に伝わる精霊ないし妖精。「チャネコス(Chanekos)」ないし「チャネス(Chanes)」とも呼ばれる。森の動物達の守護霊で、狩りを手伝ってくれたりと人間に好意的な面もあるが、人間に病気をもたらしたり、ひどい場合は魂を奪って死に至らしめたりと悪意を持って行動する時もある。タバコの煙があると嫌がって近づかないとされている。

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チャンティコ

Chantico

アステカにおける大地の女神であり、メキシコ盆地のショチミルコの守護神。竈の神でもあり、また金属細工(特に金細工)職人を守護する女神とされる。暦上で「9のイツクイントリ」はチャンティコの祝日とされていた。ミクトランテクートリと関連がある。

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チャンドラ

Chandra, Candra

インド神話において月を司る神で「ナヴァグラハ(Navagraha=九曜)」の一人。名前は「輝き」を意味する。酒の神であるソーマと同一視される。浮気者の神であり、ダクシャの娘である27の星座「ナクシャトラ(Nakṣatra)」(これらの星座は白道上にある星座、いわゆる月宿である) と結婚しているにも関わらず、木星の神ブリハスパティの妻であるターラーを誘惑して水星の神ブダを生ませた。

仏教においては月に関連する月天の元となった。

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チャンドロビロウォ

Candrabilawa

インドネシア、ジャワの影芝居に登場するラクササ(魔物)の一種。頭でっかちで不恰好で、そんなに強そうにも見えないが、一体が殺されれば二体、二体が殺されれば四体と、常に倍数となって力を増し、ついにはどんな相手をも殺害する。影芝居の中では悪玉である百王子方の長老サルヨによる呪文で呼び出されるが、善玉の五王子の長兄ユディストロが持つ護符によってみな焼けただれて跡形なく消えてしまう。

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姜夫チャンフ

Jiāng-fū

中国の少数民族、侗(トン)族において、最高神薩天巴の天地創造に協力したとされる神。薩天巴の命により四方位に天柱を立て、天地を分離したという。

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茶ん袋

ちゃんぶくろ

日本の和歌山県印南川流域に伝わる妖怪ないし怪異。茶ん袋、つまり茶袋とは茶を煎じたり茶粥を炊いたりする時に使う布で出来た袋のことだが、川に大きな茶ん袋が浮いたり沈んだりしているのが目撃されたり、水滴を落としながら空中を飛び回ったりするのが見られたりしたという。また椿原の柳井畑川でも同じような茶袋の化物が見られたという。

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チャーンミルク・ペグ

Churnmilk Peg

イングランドのヨークシャーに伝わるヘイゼルナッツを守る女の精霊。まだ収穫段階ではない熟れてないヘイゼルナッツをとろうとするとその人のお腹にガスを溜めたり、胃痙攣を起こさせたりする。

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中元二品七気地官清虚大帝ちゅうげんにひんしちきちかんせいきょたいてい

Zhōngyuán èrpǐn qīqì deguān qīngxū dàdì

中元二品地官赦罪大帝ちゅうげんにひんちかんしゃざいたいてい

Zhōngyuán èrpǐn deguān shèzuì dàdì

チュ=ウハ

Chu-Uhà

ベトナムにおいて信じられている家の守護霊。ベトナムにおいて檳榔樹の実を石灰と混ぜたものを嗜好品として噛む風習があるが、チュ=ウハは各家庭のライム(石灰)の調合用のジャグ(容器)に住んでいる。ジャグをうっかり壊してしまったりすると家族に災いが降りかかるという。これを防ぐためにはチュ=ウハに新しい住処に移ってもらうために、壊れたジャグと新しいジャグを一緒に近くの祠に奉る。

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貙人ちゅじん

Chū-rèn

中国において、4世紀頃に書かれた「捜神記」にみえる、虎に変身する人間の種族のこと。揚子江と漢水の流域に住んでいるという。人間の姿の時はえび茶色の着物を着ており、人間と異なり踵が無い。虎の姿の時でも虎とは異なり5本の指があるため見分けられる。昔、湖南省の東高族の人が虎を捕まえるようと檻を仕掛けておいたのだが、これに何故か赤い頭巾の上から冠をかぶった宿駅の役人長が入っていたことがあった。この男は貙人だったらしく、もっともらしい言い訳をするので逃がしてやると、走りながら虎の姿になって逃げていったという。

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䟣踢ちゅつてき

Chù tī

中国最古の地理書とされる「山海経」の大荒南経の項に記される生物。南海の外、赤水の西方で流沙の東側に住むという獣で、頭が二つあるという。蒋應鎬の図によれば犬のような姿をしている。

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チュピティリペメ

Chupithiripeme

メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人が信じていた雨の神。タラスコ地方は半乾燥地帯なので重要視されていた。アステカのトラロック、マヤのチャク、ミシュテカのザウィ、トトナカのタヒン、サポテカのコシーオに相当するものと考えられる。

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長脚人ちょうきゃくじん

Chángjiǎo-rén

中国の古代の地理書「山海経」の海外西経に記されている奇妙な人々。「長股人(ちょうこじん)」とも呼ばれる。「長股之國」という国にいる人々のことで、足が長く髪は振り乱している(結わない)という。足の長い長脚人が腕が長い長臂人を背負い、海に入って連携して魚を捕らえることがあるという。大荒西経に記される長脛人も同じ人々を指していると思われる。

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長脛人ちょうけいじん

Cháng jìng-rén

中国最古の地理書とされる「山海経」の大荒西経の項に記される人々。単に「長脛」ともいう。西北海の外、赤水の東方にあるという「長脛之国」に住む人々のことで、名前通り足の脛が長いという。海外西経に記されている長脚人と同じ人々だと思われる。

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長股人ちょうこじん

chánggǔ-rén

張宿ちょうしゅく

Pūrvaphalgunī

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「プールヴァファルグニー(Pūrvaphalgunī)」と呼ばれ、プールヴァは「最初の」、ファルグニーはイチジクを意味する。この音や意味から張宿、「前徳宿(ぜんとくしゅく)」、「間錯天(けんじゃくてん)」、「前頗求尼(ぜんはぐに)」、「初破求(しょはぐ)」、「富樓縛波里朮尼(ふるばはりじゅつに)」などと訳され、また日本では「張(ちりこぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では南方(右側)に配され、像容は左手に赤珠の乗った蓮を持つ。

種字は「मि(mi)」、「रो(ro)」、真言は「唵發魯縛頗勒窶抳莎呵(おんほつろばはろくにそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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長乘ちょうじょう

Zhāng-shèng

中国において最古の地理書とされる「山海経」に記されている神。西山の蠃母山にいるとされ、天の九徳(寛而栗・柔而立・愿而恭・乱而敬・擾而毅・直而温・簡而廉・剛而塞・彊而義)を司るという。人間のような姿で犳(豹の仲間とされる)の尾を持つ。

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"鳥身人面神"ちょうしんじんめんしん

Niǎo shēn rén miàn shén

中国最古の地理書とされる「山海経」の中山経の中次八経において言及される山神のこと。荊山(景山、荊山、驕山、女几之山、宜諸之山、綸山、陸䣀之山、光山、岐山、銅山、美山、大堯之山、靈山、龍山、衡山、石山、若山、彘山、玉山、讙山、仁舉之山、師每之山、琴鼓之山の二十三山)の神で、全体としては頭は人間、それ以外は鳥といった姿をしているという。この神を祀るには一羽の雄鶏を用い、祈と瘞(埋める儀式)には一つの藻圭を用い、糈(神饌)には稌(いね)を用いよと記されている。また二十三山のうち長(冢)となるのは驕山であり、その祠には羞(ご馳走)として酒と少牢(羊と豚の供物)を用い、祈と瘞(埋める儀式)をせよ、嬰(儀式の一種)には毛(獣のこと)一つ璧を用いよと記されている。
※"鳥身人面神"は固有名称を持たないための(サイト上の)便宜名です。

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"鳥身龍首神"ちょうしんりゅうしゅしん

Niǎo shēn lóng shǒu shén

中国最古の地理書とされる「山海経」の南山経の首経において言及される山神のこと。䧿山と呼ばれる九山(招搖之山、堂庭之山、猨翼之山、杻陽之山、祗山、亶爰之山、基山、青丘之山、箕尾之山)の神々であり、みな体が鳥で頭が龍といった姿をしているという。毛(獣の事)、一璋玉を用い、埋めることで供物とし、糈(神饌)は稌(いね)・米を用いるべきだという。また祭壇は白い菅(すげ)で席(むしろ)を設けよと記されている。
また中山経の中次一十二経において言及される山神も鳥身龍首の神とされる。こちらは洞庭山(篇遇之山から始まり雲山、龜山、丙山、風伯之山、夫夫之山、洞庭之山、暴山、即公之山、有堯山、江浮之山、真陵之山、陽帝之山、柴桑之山、榮余之山に至る十五山)の神で、みな体が鳥で頭は龍のもの、といった姿をしているという。この神を祀るには毛(獣のこと)として一羽の雄鶏を用い、一匹の雌豚を傷つけて供する。糈(神饌)には稌(いね)を用いる。夫夫之山、即公之山、堯山、陽帝之山は長(冢)であり、祀るには肆瘞(並べて埋める)、祈には酒と毛、少牢(羊と豚の供物)を用い、嬰には毛と一つの吉玉を用いる。さらに洞庭之山と榮余之山は神(冢の上の帝の上の格)であり、祀るには肆瘞(並べて埋める)、祈には酒と太牢(牛・羊・豚の供物)を用い、嬰には圭と璧を十五用いる。また(生贄は)五采で飾る。 ※"鳥身龍首神"は固有名称を持たないための(サイト上の)便宜名です。

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長臂人ちょうひじん

Chángbì-rén

中国の古代の地理書「山海経」の海外南経に記されている奇妙な姿の人々。周饒国の東方に位置する「長臂国」と呼ばれる国に住む人々のことで、腕が突出して長く、その腕で魚を捕らえるという。足の長い長脚人が腕が長い長臂人を背負い、海に入って連携して魚を捕らえることがあるという。

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鳥民ちょうみん

Niǎo mín

中国最古の地理書とされる「山海経」の海内経に見える種族。「鹽(塩)長国」という国に住んでいる人々で頭から上が鳥になっているので「鳥民(或いは鳥氏)」と呼ばれるという。

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長右ちょうゆう

Cháng-yòu

中国で最古の地理書とされる「山海経」の南山経にその名がみられる、凶兆とされる生物。長右山という山に棲んでいる猿のような獣で、耳が4つ(2対)あり、人がうめくような声で鳴くという。この長右が現われた群県は洪水に見舞われるとされる。

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釘霊人ちょうれいじん

Dinglingren

中国最古の地理書とされる「山海経」の海内経に言及される種族。「釘霊之国」に住む人々のことで、おおよそ人と同じ見た目をしているが、膝より下に毛が生え、足には馬の蹄が生えており、よく走るという。また郭璞の注によれば自分(の蹄)に鞭を打って一日に三百里を駆けることができるのだという。

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猪婆龍ちょばりゅう

Zhū pó lóng

千依比古命

ちよりひこのみこと

伊勢神宮内宮の皇大神宮の摂社で、三重県度会郡玉城町にある式内社「朽羅神社(くちらじんじゃ)」に千依比売命のともに祀られる神。両神はともに大年神の子神で、田野の農耕神とされる。

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千依比売命

ちよりひめのみこと

伊勢神宮内宮の皇大神宮の摂社で、三重県度会郡玉城町にある式内社「朽羅神社(くちらじんじゃ)」に千依比古命のともに祀られる女神。両神はともに大年神の子神とされる。朽羅神社は「皇太神宮儀式帳」に「久麻良比神社」の名で見えるが、「朽羅」、「久麻良比」の名義は諸説あるものの判然としない。同社は「宮田森(みやたもり)」と呼ばれる田畑の中にあるこんもりした森の中にあり、田野の農耕神として伝わる。

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チョルティ

Chorti

グアテマラの民間信仰や伝承に登場する野人ないし人型の怪物。毛むくじゃらでつま先が後ろに向いた逆さまの足と鉤爪を持つ。荒野の守り神であると共に目撃した人に災いをもたらす不吉な怪物とされる。

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チョンチョン

Chonchon, Chonchonyi, Chonchón

南米アンデス山脈の麓に住んでいた原住民に語り継がれていた怪物。人間の頭だけの姿で体にあたるものはない。霊界を住処としており。巨大な耳を翼代わりに空を飛び、夜の間だけ病人の家の周りにやってくるという。これは病人の魂を吸い取るためで、チョンチョンがやってくるのは病人が死ぬ前兆だとされた。しかし、魔法使いにしかその姿は見えず、一般人には「チュエ、チュエ、チュエ」という鳴き声だけが聞こえるという。

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塵塚怪王

ちりづかかいおう

日本における妖怪の一種。鳥山石燕の「画図百鬼徒然袋」に描かれたもので、唐草文様の入った大きな唐櫃をこじ開ける鬼のような怪物の姿が描かれている。同じように唐櫃をあける鬼の姿は室町時代の百鬼夜行絵巻によく描かれるモチーフだが石燕はこれをモデルとして塵塚怪王を描いたと思われる。「塵塚」とは塵やごみを捨てる場所のことで、石燕が記した文章によればこの塵塚怪王は塵が集まって変化した化け物達の長であるという。この名前は吉田兼好の「徒然草」にある一文「多くて見苦しからぬは、文車の文、塵塚の塵」から着想を得たものと考えられる。というのも、画図百鬼徒然袋において次に描かれているのが文車妖妃なのである。

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チリモヌ

奄美大島における不浄の獣。人が死んだ時、死人の下に敷くむしろなどに宿るとされる。チリモヌに股をくぐられるとその人はたちまち病で死んでしまうという。豚の子や猫に似ているとされる。

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チーローニア

Cheeroonear

オーストラリアのアボリジニの伝承に伝わる人を貪り食う恐るべき怪物。犬の頭の獣人で、地面を引きずるほどの長い腕を持ち、首の皮はたるんで腹まで垂れ下がっている。この怪物は、呪医であるウィンジャーニング兄弟が一計を案じ戦士たちとともに皆殺しにしたが、雌の切り裂かれた腹から出てきた子供は見逃されてしまった。この子供は怪物蛇に変身して茂みの中へと消えていった。

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チロンヌカムイ

アイヌにおいてキタキツネを顕現体とするカムイ。「チロンヌ」とはアイヌ語で「キタキツネ」を意味すると同時に「われら(アイヌ人)がどっさり殺すもの」という意味もある。つまり、数も多く捕獲することがあまり危険でないキタキツネは、アイヌ人に狩猟対象として身近な存在であった。アイヌ人も世界の人と同じように、キツネという動物をずるがしこく、悪知恵を使って人を騙し、また少々間が抜けていて人に騙し返されるような生き物だと考えていた。したがってチロンヌカムイは主人公として神謡に登場することもあった。黒ギツネのカムイは特にシトゥンペカムイと呼ばれる。

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ちん

Zhèn

中国において恐れられた想像上の鳥。サギ程の大きさ緑色の羽を持ち、唇は赤いとされる。「鴆毒」と呼ばれる猛毒を持つと考えられ怖れられた。雄は「雲日」、雌は「陰諧」と呼ばれた。漢の創始皇帝劉邦が死んだとき、その皇太子の地位を趙王如意が奪おうとした。このとき皇太子の母であった呂太后は鴆毒を用いて如意を殺したという。鴆の毒はてきめんで、鴆の羽根でかき混ぜただけの酒を飲んだだけで如意は死んでしまったという。

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チント=サクトコ

Tcinto-saktco

ネイティブアメリカンの一部族、クリー族の伝承・信仰に登場する蛇の怪物。いわゆるホーンド・サーペント。円錐状の角、或いは鹿のような枝角が頭に生えた巨大な蛇で、複数の種類がありそれぞれ体色が違うとされる。

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