ワイヴァーン
Wyvern, Wivern
ヨーロッパの伝説や伝承、特に中世ヨーロッパのイングランドやフランスに伝わる想像上の生物。紋章や動物寓話集に登場する。ラテン語で毒蛇を意味する「ウィペラ(Vipera)」が古フランス語の「ギーヴル(Guivre)」となり、これがアングロフランス語の「ウィヴル(Wivre)」に変化、更に中期英語「ワイヴァー(Wyver)」を経て「ワイヴァーン(Wyvern)」となった(更にこれがフランス語化されたものが「ヴィーヴル(Vouivre)」となっている)。元々は、小さな羽の生えたトカゲのような姿をしていたが、ドラゴンの頭、コウモリの翼、ワシの足に、大蛇の尾と胴体を持った懇請生物の姿となった。これはイギリス王室の紋章である(四本足の)ドラゴンと明確に区別されたからである。食欲旺盛でかつ好戦的な生物であり、出会ったものはなんでも破壊してしまうとされる。現在でもよく紋章に使用されている。