分部火
わけべのひ
日本の伊勢国(三重県)の津に伝わる怪火。「諸国里人談」に紹介されているもので、塔世川(安濃川)の川上にある分部山より現れ、小さな挑灯(=提灯)ほどの火が50から100あまり現れて縦横に飛び回るというもの。飛び回った後に五、六尺(約1.5〜1.8m)の塊になって塔世川を川を水より速く降るという。また塔世ヶ浦に「鬼の塩屋の火」という怪火があり、この二種の怪火が激しく飛び交う様はまるで戦っているように見えるという。二種の怪火は固まったり分かれたりした末、一方は川上へ、一方は沖へ戻っていくという。
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