ね行

ネ=ア=ゴ

Ne-a-go

ネイティブアメリカンの一部族、イロコイ族における風の精霊の一人。東風を司り小鹿の姿で現れるという。巨大な風の精霊であるガ=オーの支配下にあるとされる。

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ネイ・シツアアビネ

Nei Tituaabine

ミクロネシア、ギルバート諸島における植物を司る女神。「二番目の神」アウリアリアが恋に落ちる、赤い肌と雷のように輝く目をもつ美しい乙女。アウリアリアの恋は願わず、その上ネイ・シツアアビネは病気で死んでしまうが、彼女が埋葬されたお墓からは、頭からココヤシの樹が、臍からアーモンドの樹が、踵からタコノキが生えてきた。こうしてネイ・シツアアビネは植物の神となった。

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ネイ・テウケズ

Nei Teukez

ミクロネシアのギルバート諸島における神。至高神ナレアウが「水」と「砂」に交合を命じて生まれたのがナ・アシプとネイ・テウケズで、この二神は「テ・イカワイ=最年長者」、「ネイ・マレナ=狭間の女」、「テ・ナオ=波」、「ナ・キカ=タコの主」、「リキ=ウナギ」などの子神を設けた。さらに最後に太陽や月、生物を創造する「若きナレアウ」を生んだ。

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ネイト

Neith

エジプト神話において神々の母とされる大母神。「メフエレト(Mehueret)」とも呼ばれる。元々は下エジプトのデルタ地帯にある第5ノモスの州都、サイスで信仰されていた女神であり、鰐の神セベクや渾沌と闇の蛇アポピスなどといった怪物の母親とされた女神だったが、やがて全ての神々の母、特にレーの母親とされるようになった。戦いと家庭を司る女神であり、機織で世界を織る女性としてイメージされた。機織はネイトの発明とされる。また戦いにおいてはファラオの敵を排斥し自ら先頭に立ち兵士達を導く女神だとされ、交差した矢のついた盾によって象徴される。このことから戦端を切り開く神であるウェプワウェトや、武力を司るセトなどと関連視される。ウェプワウェトが冥界の神でもあることから、ネイトも死者の守護神とされ、冥界に到着した死者に食べ物や飲み物を与えている姿で描かれることもあった(またネイトは機織と関連してミイラの包帯を織る女神でもある)。その姿は女性、あるいは背に翼が生えた女性で、一般的に下エジプトの赤い冠を戴き、手に弓矢や盾を持った姿で描かれる。また雄牛の姿で描かれることもあった。その生成力と関連して空を生んだ天牛に見立てられることもある。

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ネイ・マレナ

Nei Marena

ミクロネシアのギルバート諸島において、夫婦神ナ・アシプネイ・テウケズとの間に生まれた女神。名前は「狭間の女」を意味する。

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涅哩底王ねいりちおう

Nirṛtī

仏教において天部(→)に属する鬼神の一人で羅刹羅刹女の首長。八方天や十二天における羅刹天とは涅哩底王を指す。インドにおいて堕落や死を司る女神である「ニルリティー(Nirṛtī)="リタ(天則)の不在"つまり"無法"の意」を起源とするがほぼ男形で表される。涅哩底王のほか「涅哩底鬼王(ねいりちきおう)」、「涅哩帝(ねいりち)」、「涅哩帝王(ねいりちおう)」、「泥哩底(にりち)」、「禰哩底(ねりち)」と音写する。また「羅刹主天(らせつしゅてん)」、「羅刹主(らせつしゅ)」とも呼ばれる。

胎蔵界曼荼羅においては「羅刹天」、「羅刹主天」、「涅哩帝王」などの名で八方天の一人として外金剛部院の西南隅(右下)に羅刹衆や羅刹童子などを伴って配される(十二天儀軌においては天女を伴なう)。また金剛界曼荼羅では「羅刹天」、「羅刹主天」などのなで二十天の一人として外金剛部の西方(上部)南隅(左側)に配される。

種字は「दं(daṃ)」、「ड(ḍa)」、「नृ(nṛ)」、「रः(raḥ)」、印相は刀印、真言は「唵乃理底曳娑嚩賀(おんぢりちえいそわか)」、「南麼三曼多勃馱喃𡆗吃灑娑地鉢多曳莎訶(なもさんまんたぼだなんらきしゃさちはたえいそわか)」、三昧耶形は刀。

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ネヴィン

Nemain

ケルト神話における戦場の女神の一人。名前は「恐ろしい」、あるいは「悪意に満ちた」といった意味がある。バーヴマッハと共にモリガンの侍女であり、美しい乙女、あるいはカラスの姿で戦場に現れるという。ネヴィンはまたトゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の長であるヌァザの妻であり、フォモール族との第二の戦いによってヌァザと共に死んだとされる。

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ネクベト

Nekhbet

上エジプトにおける禿鷲の姿をした女神で"レーの娘"の一人。ホルスあるいはセベクの配偶神だとされるが、これは恐らくハトホルと強く関連視されたことによる(ハトホルもホルスないしセベクの妻とされる)。翼を大きく広げ、鉤爪で円形の永遠のシンボルをぶら下げて飛んでいる姿で描かれることが多い。また籠の上にとまり上エジプトを象徴する白い冠やアテフ冠を戴くハゲワシの姿でも描かれる。下エジプトのコブラの女神ウジャトとともに、現在王役にあるファラオを守護し、また王家の子供を養う女神だと考えられた。

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ネケッシタス

Necessitas

ローマにおいて必然を象徴する神。ギリシアのアナンケに相当する。

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猫又

ねこまた

日本に住む猫の妖怪。「猫股」とも書く。もともと普通の猫であったものが、年老いて尾が二つに分かれたもの。毛を逆なですると光るという。行灯の油を舐め、人の言葉を話したり、人に化けたりする事ができる。この場合、犬をけしかけると本性をあらわす。また、猫又になった猫は、普通の猫のふりをしていても、開けた襖を自分で閉めることから猫又であることがわかると言う(普通の猫は開ける事は出来ても閉めることは出来ない)。ケット・シーなどとは違って、好んで人間を喰ったり、殺したりする。

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根拆神

ねさくのかみ

日本記紀神話に登場する神。「根拆神」は古事記での表記で、日本書紀では同訓で「根裂神」と記されている。伊邪那美命が火神火之迦具土神を産んだばかりに陰部を火傷して死んでしまった時、夫であった伊邪那岐命は怒りのあまり火之迦具土神を刀で切り殺してしまった。根拆神はその時飛び散った血から生まれた神の一柱である。神名は「根を割くほどの威力のある神」の意と考えられ、雷か刀を司る神だと考えられる。

石拆神と対の神名であり、元々「石根拆神」といった神名を二つに分けたものとも考えられる。同時に生まれたあとひとりの神が石筒之男神であることもあわせて考えれば、この二神は岩や石を司る神とも考えられる。この場合の「サク」は「割る」という意味ではなく、「さくむ」という動詞の語幹で(岩根に)凹凸があることを示す。

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ネサル

Nesaru

ネイティブアメリカンの一部族であるアリカラ族に伝わる最も偉大な空の精霊。「ニシャヌ・ナチタック(Nishanu Nachitak)」とも呼ばれる。ダコタ族では「ワコンダ」と呼ばれる。彼の意思とは無関係に生まれた(或いは彼が創造したものの手に負えなくなった)地下の巨人達を滅ぼし、代わりにトウモロコシから今の人間を作った。人間や動物は相変わらず地下で暮らしていたが、ネサルの許しと導きにより地下から這い出て地上で暮らし始めた。人間はトウモロコシを栽培する方法やゲームを覚えたが、そのゲームが元で喧嘩が始まり沢山のものが死んだ。そこでネサルは地上に降りて彼らに平和に暮らす方法や戦いの仕方などを教えた。

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ネトリエル

Netoniel

マグレガー・メイザース(Samuel Liddell MacGregor Mathers)の「ソロモンの大きな鍵(The Key of Solomon The King)」において、「デヴァキア(Devachiah)」、「ツェデクィア(Tzedeqiah)」、「パラシエル(Parasiel)」とともに木星の第1のペンタクルにヘブライ文字で記される天使。

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ネナウニル

Nenaunir

アフリカのケニアに住むマサイ族における悪霊の一種。嵐を生み虹を発生させて大地を脅かす(虹は邪悪なものとされている)。ネナウニルは大地を飲み込む危険があったため、かつてマサイ族によって矢で撃退されたとされている。

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禰々子河童

ねねこがっぱ

日本において、関東地方を流れる利根川に棲む河童を従える親分とされる女河童。単に「禰々子」とも呼ぶ。また「ねねこ」は「子々コ」とも書く。機嫌が悪いと堤を崩して田んぼを水浸しにしたり牛馬や人を水中に引きずり込んで溺死させていたが、あるとき生け捕りにされ悪さをしないことを条件に離されたという。

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ネフィリム

Nephilim, Nefilim

旧約聖書に見える巨人に対する種族名。「ネフェリム(Nephelim)」とも呼ばれる。人間の娘たちと堕天使たち、いわゆるグリゴリたちの同衾の結果として生まれた子供たちのこと。天使は元々肉体を持っておらず、そのため子供を持ちえないが、罪を犯すことで(堕落しやすい)肉体を得ることになり、その結果子供を成せるようになる。このようにして生まれた子供らは背丈が3000キュピット(1350m)もある巨人となった。ネフィリムたちの食欲は凄まじく、人間たちの用意した食糧では間に合わず、共食いを始めるありさまだったという。

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ネフェルテム

Nefertem

エジプト・メンフィス神話における睡蓮の花の神。創造神プターと獅子の女神セクメトの間に生まれた(一説には猫の神バステトの息子)。獅子の頭を持つ男性神として壁画などには描かれる。しかし一般的には睡蓮の花の上に二本の羽を刺した髪飾りをつけた男性神として知られている。植物の神として豊穣、植物から採られる香油を司り、「食物の主人」と称される。また古代エジプトでは太陽は睡蓮の花から登ると信じられていた為、太陽と関連付けられ、太陽神としての属性をもつ神、あるいは太陽神ラーの眷属として考えられるようになった。

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ネフタン

Nechtan

アイルランド神話における水の神。幾つかの伝承では女神ボアンの夫とされている。三人の召使いと共に知識の泉を管理しているとされる。

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ネフティス

Nephthys

エジプト神話において死者と埋葬を司る女神。「ネブテト(Nebthet)」とも。名前は「館の女主人」を意。大地の神ゲブと天空の神ヌートの娘。イシスオシリスセトとは兄弟。セトとネフティスは双子でありながら婚姻関係にあったが、二人の間に子供は生まれなかった。そこでネフティスはオシリスに酒を飲ませた上で誘惑して交わり、子供を身ごもった。この子供がジャッカル神アヌビスとされる(アヌビスはバステトが生んだとする伝承もある)。

元々オシリスをよく思ってなかったセトは、これが切っ掛けかは分からないがオシリスを殺すことになる。この時ネフティスはセトを見捨て姉のイシスに協力し、オシリスが無事復活できるように二人で遺骸に適切な処置を施した。二人は鳶の姿になって遺骸の上を飛び回り、埋葬までの間遺骸を守ったという。 このことからイシスと共に死者の遺骸を守護する姿で描かれることが多い。

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寝肥

ねぶとり

日本における妖怪の一種で、自堕落な生活を続けるうちに人が妖怪に変じてしまったものをいう。竹原春泉画、桃山人文の「絵本百物語」に紹介されている。寝てばかりで家事もせず旦那に働かせるばかりの女房のことで、これは既に一種の変化であるという。色気も何も無く、大いびきをかき肥え太るばかりで、寝相も悪く夫の布団まで取ってしまう。「絵本百物語」はまた寝肥を「寝惚堕(ねぶとり)」という病気の一種だとも説明している。これはおそらく大腿部や臀部などに出来るおでき「根太(ねぶと)」の語呂であると考えられる。いずれにしても寝過ぎを戒めるための話だと考えられる。

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ネヘブカウ

Nehebukau

エジプト神話において数多く存在する冥界に関係する神の一人。セルケトの夫として知られる。元々は冥界に住む怪物であったが、後に死者に食糧を与える冥界における恵みの神ともされた。ある伝承によればネヘブカウは元々人間の姿だったが、巨大蛇アポピスの体の一部を飲み込んだことによって蛇の頭とサソリの尾を持つ姿に変わってしまったのだという。醜い姿を疎まれ冥界の門番にされてしまったネヘブカウだったが、そうして得た彼の毒は逆に蛇やサソリに刺された人間を癒したという。

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ネヘメトアウイ

Nehmetaway, Nehemtawy

エジプト神話においてトトの妻とされる女神。中央エジプトにあったクヌムという都市でトトとともに祀られた。トトとの間に「ネフェルホル(Neferhor)」という息子を設けたこと以外は詳しく分かっていない。

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ネリー・ロングアームズ

Nellie Longarms, Nelly Longarms

「長い手のネリー」。イングランドに伝わる女の妖精(ハッグ)。水辺に潜んでいて子供が近づくと水中に引きずりこむ。ネリー・ロングアームズに引きずりこまれた子供は二度と見つからないという。ジェニー・グリーンティース同様、子供たちに水遊びの危険さを教えるために考え出された妖精だと考えられる。

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ネルガル

Nergal

バビロニアにおいて「死の国の神」として畏怖され、信仰されていた神。クサという都市の守護神でもあり、クサという地名は「死者の土地」を意味するとされる。バビロニア神話において元々冥界を支配していたのは、「死の女主人」エレシュキガルだが、ネルガルはエレシュキガルと婚姻関係を結んだことにより、冥界の支配者と考えられるようになった。ネルガルは太陽神としての属性も持ち、太陽神シャマシュと同一視されていたこともあった。また、疫病や火、戦闘、砂漠の神であるイラはネルガルの顕現の一つとされていた。なお、バビロニアの天文学においてネルガルは火星の守護神とされている。

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ネルトゥス

Nerthus

北欧神話に登場する女神でヴァナ神族の一人。兄であるニョルズとの間にフレイフレイヤを生んでいる。平和と豊穣をもたらす神とされる。兄弟での結婚はアサ神族にとっては禁忌であるため、アサ神族に疎まれた彼女はアスガルズ(アサ神族の世界)に入ることを拒否された。だが結局アスガルズに招かれたフレイとフレイヤはこの禁忌を破り密通している。

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