根拆神
ねさくのかみ
日本記紀神話に登場する神。「根拆神」は古事記での表記で、日本書紀では同訓で「根裂神」と記されている。伊邪那美命が火神火之迦具土神を産んだばかりに陰部を火傷して死んでしまった時、夫であった伊邪那岐命は怒りのあまり火之迦具土神を刀で切り殺してしまった。根拆神はその時飛び散った血から生まれた神の一柱である。神名は「根を割くほどの威力のある神」の意と考えられ、雷か刀を司る神だと考えられる。
石拆神と対の神名であり、元々「石根拆神」といった神名を二つに分けたものとも考えられる。同時に生まれたあとひとりの神が石筒之男神であることもあわせて考えれば、この二神は岩や石を司る神とも考えられる。この場合の「サク」は「割る」という意味ではなく、「さくむ」という動詞の語幹で(岩根に)凹凸があることを示す。