山經: 卷一 南山經(山海經第一)
No. | 名称 | 場所 | 備考 |
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001 |
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招揺之山 |
猿のような姿で白い耳を持つ獣。歩くときは伏せて四本足で歩くが、走るときは人のように二本足で立つ。この獣の肉を食べれば速く走れるようになる。 |
002 |
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杻陽之山 |
馬のような姿で白い首と赤い尾を持つ獣。虎のような模様があり、歌うように鳴く。身に帯びれば子宝に恵まれる。
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003 |
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杻陽之山 |
憲翼の水に住む黒い亀で鳥のような頭、蝮のような尾を持つ。木を裂くような声で鳴く。身に帯びれば聾唖にならず、また手足のタコを直す薬になる。 |
004 |
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柢山 |
牛に鱗が生えたような魚。丘に棲み、蛇のような尾を持つ。また脇の下から翼が生えている。留牛(まだらうし)のように鳴く。冬は身を潜め夏になると現われる。食べると腫れ物にならない。
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005 |
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亶爰之山 |
たてがみを持つ狸のような獣。自らで生殖する。食べると嫉妬心がなくなる。
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006 |
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基山 |
羊のような姿の獣だが、頭ではなく背中に目がある。また尾は九本、耳は四つある。身に帯びれば恐怖心がなくなる。
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007 |
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基山 |
鶏のような鳥だが頭が三つ、足が六本、翼が三つある。食べると眠らなくてもよくなる。
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008 |
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青丘之山 |
九本の尾を持つ狐。赤ん坊のような声で鳴き、人をよく食べる。これを食べると邪気に教われないようになる。 |
009 |
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青丘之山 |
鳩のような姿で人間が呼び交わすような声で鳴く鳥。身に帯びると惑いがなくなる。
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010 |
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青丘之山 |
即翼之澤に住む人の顔を持つ魚でオシドリのような鳴き声で鳴く。食べると疥癬(かいせん)にならない。
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011 |
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柜山 |
豚のような姿の獣。蹴爪があり、犬のように吠える。これが現われた県は土木工事が増える。
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012 |
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柜山 |
鳶(とび)のような姿の鳥。人の手のような足を持ち。自分の名で鳴く。これが現われると追放される人が増える。
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013 |
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長右之山 |
四つ耳の猿のような獣で人がうめくような声で鳴く。これが現われた群県は洪水が起こる。
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014 |
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堯光之山 |
人のような姿の獣で猪の子供のようなたてがみがある。木を切るような声で鳴き穴に住み冬眠する。これが現われた県は大きな労役が起こる。
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015 |
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浮玉之山 |
牛の尾を持つ虎のような姿の獣。人を食い、犬のように吠える。
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016 |
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洵山 |
羊のような獣だが口が無く殺せない。
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017 |
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鹿呉之山 |
雕(わし)のような獣で角があり赤ん坊のような声で鳴く。人を喰らう。
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018 |
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禱過之山 |
鵁(鴨の仲間)のような姿の鳥。白く人間のような頭と三つの足を持つ。自分の名で鳴く。
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019 |
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禱過之山 |
泿水に住み蛇の尾を持ち鴛鴦の声で鳴く魚。食べると腫れ物ができなくなる。また痔を癒す薬にもなる。
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020 |
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丹穴之山 |
鶏のような姿の鳥。五彩(青黄赤白黒)の体色で頭に「徳」、翼に「義」、背中に「礼」、胸に「仁」、腹に「信」の模様がある。これが現われると天下は太平になる。
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021 |
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雞山 |
黒水に住む鮒(ふな)のような魚だが猪の子のような毛が生えていて豚のような声で鳴く。これが現われると天下は旱魃になる。
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022 |
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令丘之山 |
梟のような姿の鳥で、人面で四つ目、耳がある。自分の名で鳴く。これが現われると天下は旱魃になる。
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