サマエル
Samael, Sammael
- 別称
- サタニル(Satanil)
- サマヘル(Samahel)
- サミル(Samil)
- サムエル(Samuel)
- サルマエル(Salmael)
- セイル(Seir)
ヘブライ神話における天使の一人。「セラフ(Seraph)」に属するとされる。名前は「神の毒」という意味を持っており、時として堕天使の一人とされたり、「サタン(Satan)」と同一視されたりすることもある(例えば旧約聖書外典「第2エノク書(スラブ語エノク書)」では悪霊達の王と称されている)。これは彼が「死」を担当する天使だからである。天国、現世、地獄で行動する霊の中で最も邪悪で最も崇高、つまり善でもあり悪でもあると考えられている。新約聖書「ヨハネの黙示録」においては12枚の翼を持つ大いなる蛇であり、堕天する時に「太陽系を引き寄せた」という。モーセの魂を天に運ぶとき、「ガブリエル(Gabriel)」、「ミカエル(Michael)」、「ザグザゲル(Zagzagel)」がその役目を神から命じられたが、3人ともこれを断ったためサマエルがこの役目を果たすこととなった。任務を与えられたサマエルは喜んでモーセの魂を迎えに行ったが、モーセの輝く顔に目が眩んで手ぶらで戻ってきてしまい、神の怒りを買ってしまう。サマエルは再びモーセのもとに向かうが、今度は逆に杖で打ち据えられて盲目になってしまったという。また、アダムとイブに子孫の作り方を教えたのもサマエルだとされる。
「ホノリウスの誓いの書」では「サマヘル(Samahel)」として「サティヘル(Satihel, Satyhel)」(→サタエル)、「アマビエル(Amabiel)」、「イトゥラヒヘル(Yturahyhel, Yturahihel)」とともに火星を司る霊(スピリット)、「トゥリエルの秘密のグリモア」でもサタエル、アマビエルとともに火星を司る霊、「ヘプタメロン」でもサタエル、アマビエルとともに火曜、火星、第5天を主宰する天使とされる。また金曜に南から召霊される天使の一人に数えられる。「モーセ第6、第7の書」でも第5天「マテイ(Matthey)」ないし「マコン(Machon)」を支配する天使で、200万の天使が仕えるとされ、四方に分かれ、各方位3人計12人の長が12か月を支配しているという。
「レメゲトン(ソロモンの小さな鍵)」第3部で言及される「聖パウロの術(アルス・パウリナ)」においては、24時間のうち昼の1時を守護する支配天使とされ、多くの天使の公爵、従者を従える。そのうちの8人の主位公爵「アメニエル(Ameniel)」、「カルポン(Charpon)」、「ダロシエル(Darosiel)」、「モナシエル(Monasiel)」、「ブルミエル(Brumiel)」、「ネストリエル(Nestoriel)」、「クレマス(Chremas)」、「メレシン(Meresyn)」は444人の従者を従えるとされる(→"時間の天使")。
「アーク・シーデーモン(Arch She-Demon(s))」の「ナアマ(Naamah, Naamah')」、「エイシェト・ゼヌニム(Eisheth Zenunim)」、「アグラト・バト・マラト(Agrat bat mahlat)」らはサマエルの妻とされることがある。