阿弥陀如来

阿弥陀如来あみだにょらい

Amitāyus, Amitābha

仏教における如来の一。名前はサンスクリットの「アミターユス(Amitāyus)="尽きない光"の意」、「アミターバ(Amitābha)="尽きない命"の意」を音訳したもの。またそれぞれの意味を漢訳して「無量寿如来(むりょうじゅにょらい)」、「無量光如来(むりょうこうにょらい)」とも称する。また「無辺光如来(むへんこうにょらい)」、「無量尊(むりょうそん)」、「無碍光如来(むげこうにょらい)」、「無対光仏(むたいこうぶつ)」などの意味訳、「阿弭跢婆(あみたば)」、「阿弥陀婆(あみだば)」、「阿弭跢庾(あみたゆ)」などの音訳も見られる。

人間の世界(娑婆)から西に遠くはなれた「西方浄土(さいほうじょうど)」、いわゆる極楽浄土の教主であり、四十八願をもって一切の衆生を救うとされる。もとはインドの王族として生まれたが世自在王仏による教導を受けて出家し、「法蔵比丘(ほうぞうびく)」と名乗り修行を重ね、四十八願を成就し仏尊となったという。死後の安泰を願う仏尊として日本や中国で特に篤く信仰された。脇侍として右に勢至菩薩、左に観音菩薩を従えた阿弥陀三尊像が多く作られたほか、二十五菩薩を従えた「来迎図(らいごうず)」などの作例もある。五智如来の一尊として、妙観察智(一切のものを正確に見極め、誤らない智恵)を司る仏尊として胎蔵界曼荼羅の中台八葉院西方に配される。

チベット仏教ではアミターユス、アミターバ両尊は分けて考えられ、それぞれ「ツェパクメー(Tshe dpag med, tsepakmé)」、「ウーパクメー('Od dpag med, Öpakmé)」の名で信仰される。

密号は「大悲金剛(だいひこんごう)」ないし「清浄金剛(しょうじょうこんごう)」、種字は「अं(aṃ)=吽」ないし「ह्रीः(hrīḥ)=紇利」、 真言は「唵阿密栗多帝勢迦羅吽(おなみりたていせいからうん)」(小咒)、「唵嚧計濕縛羅羅若紇哩(おんろけいしばららじゃきり)」(金剛界羯摩会) 、印相は阿弥陀定印、蓮華蔵印、九品往生印、決定往生印、四十八願印など、三昧耶形は蓮華。

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  • This Page Last Updated: 2021-08-11