ウリエル
Uriel
ユダヤ教、キリスト教に共通して登場する四大天使の一人、偉大なる大天使(→アークエンジェル)にして御前の七天使の一人。名前は「神の光」あるいは「神の炎」といった意味を持っている。炎の剣と盾によって象徴され、四大元素の「地」、四方位の「南」、および「感受性」、「硬く耐え忍ぶこと(堅忍)」という美徳を司る。旧約聖書外典「第1エノク書」のギリシャ語写本によれば、宇宙の運行と地球の気象を司るという。ウリエルの名は旧約聖書偽典「シュビラの託宣」や新約聖書外典「ペテロの黙示録」などにも言及され、それによれば終末において偶像崇拝者(つまり異教徒)たちを神の審判の場に連れて行くこと、生前に善行を怠らなかった死者に魂を吹き込んで生き返らせ、また生前悪行に走った死者たちを地獄で拷問にかけることがウリエルの役目である。また、作家や教師といった職分に対するインスピレーションの源泉といわれる。
ウリエルは天上の階級において他の四大天使と同様に8番目のアークエンジェルに属するとされるが、それでいてセラフ達の指揮官とされたり、ケルブに属するとされることもある。745年のローマ公会議において崇拝を禁じられた、いわゆる「拒絶された天使」の一人でもある。
カバラや悪魔学においても重要な位置を占め、錬金術を地上にもたらし、カバラを人間に与えたのはウリエルだとされることがある。12か月のうち9月を支配し、月の叡智体(インテリジェンス)ともされる。