船霊
ふなだま
日本の民俗信仰において、船と船乗り、漁師を守護するとされる船に憑く神。普通女神だとされる。「船玉」、「船魂」とも書く。また「御船様(おふなさま)」、「おざだま様」、「おがたま様」、「じんぱち様」などとも呼ばれる。その本体ははじめ住吉三神とされたが、神仏習合の影響により大日如来、釈迦如来、聖観音(観音菩薩)などが本体とされた。また船を十二箇所の部分に分けて「十二船霊」と称し、十二神将を当てたり、馬頭観音や白衣観音、如意輪観音といった十二尊の観音を当てたりする場合もある。御神体として帆柱を差し込む穴などの「船霊座」と呼ばれる場所に男女対の人形や銭十二文、サイコロ2個、女性の髪などが納められる。船霊は「チンチン」と鳴いて大漁や嵐を前もって知らせてくれるとされている。悪いことが起こったり、不漁が続いたりすると御神体を取り替えることもある。
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