アザゼル

アザゼル

Azazel, Azaziel Azael

旧約聖書偽典、旧約聖書外典「第1エノク書(エチオピア語写本)」において、グリゴリの一員であり、統率者の一人だったとされている天使。「アサセル(Asasel)」、「アザエル(Azael)」などの名でも知られる。旧約聖書「レビ記」においては固有名詞としてではなく、悪魔を意味する一般名詞と同じように扱われている。「アザエル(Azael)」、「ハザゼル(Hazazel)」などの名でも呼ばれる。その名は「遠くへ去る」、「神の如き強き者」、「完全なる除去」、「荒野」、「山羊」などの意味がある。シェミハザなどと共に人間の娘と結婚し神に反逆した。元々の起源はシリアの神だったと考えられている。人間の娘達に剣や盾などの戦争に使う武器の製造法や男性を誘惑するための化粧法を教えたとされている。アザゼルは神の軍勢に捕縛された後、オリオン座において逆さ吊りの刑に処されたとされる。この逸話がタロットカードの「吊られる男」の起源となったのではないかと考えられている。

ユダヤの律法学者の間においては「アゼル(Azel)」と呼ばれ、神から魔術の秘密を盗み出しエヴァ(イヴ)に与えるという大罪を犯したと考えられた。イスラム教ではイブリースと同一視されアラーに反逆する悪魔と考えられた。

堕天使(悪魔)としてのアザゼルは「地獄の君主」、「人間の誘惑者」、「羊の守護者」などと呼ばれる。また贖罪の日に生贄となる山羊を受け取る悪魔としても知られている。しばしばサタンと同一視され、7つの蛇頭と14の顔、12枚の翼を持ち、蛇にまたがった姿で表される。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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  • This Page Last Updated: 2018-03-18