ガネーシャ
Ganeśa
インド神話における学問の神。「眷属の支配者」の意。「ガナパティ(Ganapati)」ともいう。シヴァとパールヴァティーの子とも眷属の一人ともされるが、本来はインドの先住民の災厄・厄病の神であった。学問上の書物の冒頭にこの神に対する帰敬偈(経・論などの中に、韻文の形で、仏徳を讃嘆し教理を述べたもの)がおかれることが多い。また事業や新しい事を援護するとされ、事業に携わる者によく祀られる。姿は象面で長鼻、1牙、4臂、長腹をもつ。パールヴァティーが水浴をする時に、彼女はガネーシャに見張りを頼んだ。そこに父親のシヴァがやってきた時、ガネーシャは杓子定規に彼もさえぎったので、シヴァは逆上してガネーシャの首を切った。これにパールヴァティーが怒ったのでシヴァは近くにいた象の頭をガネーシャの首に据えた。またほかの伝承ではとても危険だとされる土星の神シャニをシヴァが招待したとき、シャニがガネーシャに視線を移した途端ガネーシャの頭が炎に包まれてしまったので、ブラフマーの手によりシヴァの乗り物とされる白象アイラーヴァタの頭をガネーシャに据えられたのだという。ガネーシャの牙が一本しかないのは、ラーマと戦った時に、彼の持つ斧を見てシヴァの与えたものだと知ったガネーシャが、わざと牙を折られて敗北して見せたからである。他の伝承では彼は叙事詩「マハーバーラタ」の最初の記述者であり、自分の牙を一本折ってペンとしたので牙が一本しかないのだとされる。仏教では、歓喜天となる。