日本記紀神話に登場する風の男神。「志那(しな)」は「風長(しな)」ないし」「息長(しな)」を意味し、風の神と解されている。「古事記」において伊邪那岐命と伊邪那美命の神産みの際に生まれた三十五神の一柱で18番目に数えられる。
「日本書紀」の一書には「級長津彦命(しなつひこのみこと)」の名がみえるが、これは「級長戸辺命(しなとべのみこと)」の別名としてであり、この神は志那都比古神に対応する女性神志那都比売神と考えられている。この両神は奈良県にある竜田神社の社伝に見え、同神社の祭神である天御柱神及び国御柱神と同一視される。