芝右衛門狸

芝右衛門狸

しばえもんだぬき

日本における高名な化け狸の一人。兵庫の淡路島を根城としていた。太三郎狸(屋島の禿狸)と変化の腕勝負をしたとき、太三郎狸は合戦の様子を丸ごと変化の術で再現した。これに対して芝右衛門狸は大名行列を変化で再現、そのあまりの見事さに太三郎狸は大声で褒め称えたが、実はこれは本物の大名行列で、太三郎狸は無礼者として武士にその場まで刺し殺されてしまったという(太三郎狸の死因について他にも説がある)。芝右衛門狸は芝居が大好きでよく人の姿に化けて芝居興行を見にいっていたが、徳島県まで出かけていって芝居見物をしていたときに犬に正体を看破されて噛み殺されてしまった。ただ芝右衛門狸の変化の術は見事で、死んでからも半月以上は解けなかったという。この頃ちょうど徳島の金長狸六右衛門狸との間で合戦があったので、芝右衛門狸はどちらかの加勢をしに徳島まで来ていたのではないか、とされている。現在、洲本八幡神社に芝居の神様として祀られている。

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  • This Page Last Updated: 2016-01-14