サティー
Sati, Satī
インド神話においてシヴァの妻のとる姿の一つとされる女神。シヴァの妻の最初の姿。アーディティとダクシャの間に生まれたアーディティヤ神群の一人。非常に美しい女神であり、シヴァと恋に落ち結ばれて夫婦となったが、サティーの父親であるダクシャは、大事な祭りにシヴァを呼ばなかったりとシヴァを忌み嫌い認めなかった。サティーはそんな父親の行動を嘆きいさめるために聖なる火に身を投じて死んでしまった。シヴァは怒り狂いダクシャの家を滅茶苦茶にした(あるいはヴィーラバドラを生み出し暴れさせた)後、サティーの死骸を抱いて世界を放浪した。やがてサティーはパールヴァティーとして生まれ変わり、二人は再び結ばれた。
中世以降、夫に先立たれた未亡人が、サティーの故事に倣い、「貞淑で夫を慕う妻」であることを臨み火に身を投じて後追い自殺をすることがあった。また場合によっては望まなくとも夫側の親族に自殺を強要されるということも度々起こっている。このような「サティー殺人」や「サティー自殺」はいまだに行われることがあり、社会問題になっている。
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