於母陀流神
おもだるのかみ
日本記紀神話に登場する男神。神世七代の一柱で第六代を女神阿夜訶志古泥神と対で成す。「古事記」では「於母陀流神」、「日本書紀」では「面足尊(おもだるのみこと)」と記されている。また同訓で「淤母陀流神」、「淤母陀琉神」の漢字を当てるほか、「面足之命(おもだるのみこと)」、「面足命(おもだるのみこと)」、「面足神(おもだるのかみ)」とも記される。
神名の「面が足る」とは容貌が整って美しい様を指す。大地が完成した様子を象徴する神名と考えられているが、後に登場する伊邪那美命が夫である伊邪那岐命に対して書けた言葉を神名にしたもの、という説もある。本地垂迹説においては神世七代の六代目にあたることから、阿夜訶志古泥神と共に他化自在天と同一視され第六天と称され、「第六天」と名が付く神社に主祭神として祀られることが多い。
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面足尊󠄂(ヲモタルノミコト)
江戸後期
玉蘭斎貞秀著
「神佛図會」より
国立国会図書館蔵
Copyright: public domain天神㐧六代
伊勢國多度大明神
面足尊󠄂 陽神 御歳二百億万
越後国中原大明神
惶根尊󠄂 陰神
此御世ニ藤葛麻栲ヲ取テ衣服ノ裳ヲ作リ初諸神ニ教テ寒熱ノ氣ヲサケ風雨ヲシノグ一助タラシム/鳥獣ノ羽毛尾角用エテ衣冠裳帯ヲ製シ諸ニ用サシム/此時マデ衣服ハ草木ノ葉ヲマトヒ上下ノ分モ無シ/今ヨリ上衣下裳ノ作リ初メナリ/藤ノ衣葛ノ袴スナハチ是ナリ/此時ニ衣食住三ツノ寶タルヿヲ得玉フテ帝王諸神大ヒニ觀喜ノ思ヒヲ祝シ艸木ヲ初メ諸用ヲタルニヨリテ面足ノ御名有セ玉フ衣服冠裳帯工ノ神ナリ