蓑火
みのび
滋賀県の琵琶湖で見られるという怪火。五月頃、見通しの悪い霧雨の降る夜などに船に乗っている人の蓑に点々を火が纏わりつくという。静かに蓑を脱ぎ捨てれば火は消えるが、慌てて手で払ったりすると纏わり憑く火が増えてしまう。琵琶湖で溺死した者たち怨霊の火と伝えられている。こういった怪火は他の地方でも見られ、秋田県、新潟県、福井県などでは「蓑虫(みのむし)」、「蓑ぼし」、千葉県の印旛沼では「川蛍(かわぼたる)」などと呼ばれている。
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蓑火(みのび)
「百鬼夜行拾遺(ひゃっきやぎょうしゅうい)」(1805)より
ページ:v02p004
鳥山石燕著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : public domain田舎道などによなよな火のみゆるは多くは狐火なり/この雨にきるたみのゝ嶋とよみし蓑より火の出しは隂中の陽氣か/又は耕作に苦める百姓の臑の火なるべし
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