伏羲ふっき
Fú-xī
中国神話において、三皇五帝の一人。中国最古の君主とみなされている神。「庖犠(ほうぎ)」、「大昊伏羲(たいこうふっき)」、「太皓(たいこう)」などともよばれる。女媧とともに非常に古くから信仰されている神で、人間の祖であり、文明のシンボルともいえる。五行思想では東方の神とされている。
猫(ミャオ)族系神話では、伏羲は女媧と兄弟であって、この二人だけが大洪水の時代を生き延び、その後夫婦になって人類の祖になったとされる。有名な山東省の石刻画には人頭蛇身の伏羲と女媧が描かれており、蛇の尾を絡ませ、伏羲は曲尺(かねじゃく)を、女媧はコンパスを持っている。文化神として伏羲は陰と陽の組み合わせで未来を推測する「八卦」を発明し、婚姻の制度を整えたことで知られる。また漁網を発明して人々に漁猟を教えたり、縄の結びによる記録法を考え出したのも伏羲だという。
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伏羲氏
「唐土訓蒙圖彙(もろこしきんもうずい)」(1802)より
ページ:v02p015
平住専庵著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
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