天忍日神
あめのおしひのかみ
日本記紀神話における高天原(天界)の武神。「天忍日命(あめのおしひのみこと)」、「天押日命(あめのおしひのみこと)」、「神狭日命(かむさひのみこと)」などの名前でも呼ばれる。名前の「オシヒ」とは「多(大)し霊(ヒ)」、或い「制圧する霊威」といった意味と考えられる。大和朝廷の軍事を担当した大伴氏の祖神であり、邇邇藝命の天孫降臨においては天津久米神とともに「天之石靫/天磐靫(あめのいわゆぎ)」、「稜威高鞆(いつのたかとも)」、「天之波士弓/天梔弓(あめのはぢゆみ)」、「天之真鹿児矢」ないし「天羽羽矢(あめのはばや)」、「八目鳴鏑(やつめのかぶら)」、 「頭椎之大刀(かぶつちのたち)」ないし「頭槌剣(かぶつちのつるぎ)」といった武具を携えて邇邇藝命を先導したとされている。
両記紀において親などは明らかにされていないが、「新撰姓氏録」や「先代旧事本紀」、「古語拾遺」などによれば高御産巣日神の子あるいは子孫だとされている。