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説明
インド神話の風の神「ヴァーユ(Vāyu)」が仏教に取り込まれ、漢字に意訳されたもの。「風神(ふうじん)」、「風大神(ふうたいじん)」と呼ばれるほか、「婆瘦(ばしゅ)」、「嚩庾(ばゆ)」、「婆牖(ばゆ)」などの音写でも呼ばれる。仏教を守護する天の一人であり、八天、十二天の一尊として西北を守護する。自由な風のように全ての人々を自在に悟りに導く神であり、敵を追い払い、名声、子孫、家畜、財産を人々に授けるという。一般的に甲冑を着た赤い体の老人として表され、手に風で翻る幢幡(旗の仏具)や戟を持ち、鹿や虎、青牛に乗った姿で描かれる。胎蔵界曼荼羅では西北の守護神として外金剛部院(最外院)の西北(左下)隅に、金剛界曼荼羅では二十天の一人として外金剛部の西方(上部)に、また特に成身会では「風神」の名前で四大神の一人として西北隅(右上)に配する。
種字は「ह(ha)」、「नां(ni)」、「वा(vā)」、印相は風天印、地慧幢印、真言は「唵嚩野吠娑嚩賀(おんばやべいそわか)」、三昧耶形は風幢、幢。
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参考文献
47密教辞典
- 編集:佐和隆研
- 発行者:西村七兵衛
- 発行所:株式会社法藏館
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風天(ふうてん)
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