ユニコーン
Unicorn, Unicornis
ヨーロッパにおいて広く知られている想像上の動物。「リコルン(Licorn)」、「アリコーン(Alicorn)」とも呼ばれる。「Uni」は「単一」、「Corn」は「角」を意味する。額から一本の角が生えた、美しい白い馬の姿をした怪物。出自は不明確であり、おそらく、ドルイド教の民間伝承として伝えられたものと考えられている。頭がよく、非常に警戒心が強く人を滅多に寄せ付けないが、処女にだけ心を許して近づかせるという。処女を前にするとユニコーンはその膝枕で眠ってしまうため、それを利用して捕まえることができたといわれる。こうして捕まえられたユニコーンの角は魔法に用いる薬として高価で取引された。またユニコーンの角は食事やワインに盛られた毒を発見する効果があり、万病に効く薬になるなどとされ、貴族や聖職者達がこれを購入した(これらは水棲哺乳類のイッカクの角であろう)。
純潔と神聖な力の象徴であり、ライオンと共にスコットランド王家をはじめとする王侯貴族の紋章などに好んで使われた。ユニコーンは同じく頭に角を持つモノケロスと混同され、両者は同化している。
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ユニコルニス(Unicornis)
「動物寓話集(Bestiary Bodleian Library MS. Bodl. 764)」(1226–1250)より
ページ:f010v
著者不明
ボドリアン図書館(Bodleian Library)蔵
Copyright : public domain
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モネクロエス(Monecroes)
「自然の魅力(Der naturen bloeme/The Flower of Nature)」(1350)より
ページ:f063rb
ヤーコブ・ファン・マールラント(Jacob van Maerlant)著
オランダ国立図書館(Koninklijke Bibliotheek/Royal Library of the Netherlands)蔵
Copyright : public domain
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ユニコルニス(Unicornis)
「動物寓話集(ジェラルド・オブ・ウェールズのトポグラフィア・ヒベルニカからの追加を含む)(A bestiary with additions from Gerald of Wales's Topographia Hibernica)」(12世紀後半-13世紀前半)より
ページ:f006v
著者不明
大英図書館(British Library)蔵
Copyright : public domain
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