夜泣き石

水難で無くなった赤ん坊の霊が乗り移った石とされる。

夕方に赤ん坊のような声で泣く。

旅の女が難産のため赤ん坊を残して死んだ。石には赤ん坊の這った跡が残っていて、夜になると泣き声が聞こえてくる。

山賊に身重のまま殺された女の霊が乗り移った石。夜な夜な悲しい泣き声をあげる。

弁慶が割って二つになった白い石と黒い石が泣き声を出すようになった。石屋がこの石を使おうとしたが死んだとされる。

合戦で死んだ里見広次を弔うため娘が安房から里見まで旅してきたが、疲れ果てた娘は石に寄りかかるように死んでしまった。それからその石は夜になると女の悲しそうな泣き声を出すようになったという。

大石を掘り出したので寺が購入したが毎晩夜になると石が泣くので元の場所に戻して祀ったとされる

夜泣きする赤ん坊に石の足跡を踏ませると夜泣きが治り丈夫に育ったという。

羽衣を奪われた天女が人間と結婚して子を産んだが羽衣を見つけ子供を石の上に残して天に帰った。子供は僧に拾われ後に天神様になったが、石はその後も夜毎に泣いたという。

庄屋の庭に据えようと移動したところ夜な夜な石が泣くようになったので元の場所に返したとされる。

峠道にあった石の近くを通ると赤ん坊の泣き声がした。行者が石に×印を付けてからは泣き声がやんだ。この石にお参りすると子供の夜泣きが治るとされる。

夜になると女の声で泣く石があった。悪人に親子ともども殺され石の前に埋められたためだという。この石に文を刻もうとした石工が三人死んだという。

城の庭に移動したら神社に帰りたいと泣くようになったので神社に戻されたという。

神社の石を神主が自宅におこうと思い持ち帰ったところ夜になると「長田に帰りたい」と泣く声がして、石が濡れていたので元に戻したという。