ドゥルガー
Durga, Durgā
インド神話において、シヴァの妻であるパールヴァティーが取る様々な姿のうちの一つ。「マヒシャースラマルディニー(Mahiṣāsuramardinī="マヒシャ(水牛の怪物)を殺した者")」、「ニシュムバスーダニー(Niśumbhasūdanī="ニシュムバを殺す女神")」、「カートヤーヤニー(Kātyāyanī)」などの別称を持つ。山神ヴィンドゥヤの娘であり、名前は「近づき難き者」といった意味と考えられる。パールヴァティーの、或いはシヴァの猛々しい一面が表われた神格の一つで、虎ないし獅子にまたがり、10の腕に10の武器を持ち、悪魔を調伏する女神とされる。10の武器の中でもシヴァから借り受けた三叉矛は最も強力で、水牛の悪魔マヒシャや人間の姿の悪魔ニシュムパをこの三叉矛で突き刺している姿が好んで絵に描かれる。ドゥルガーは他の「シヴァの妻」に比べるとかなり後期までその中に入っていなかったことが分かっている。中世にはドゥルガーに対して人間が生贄にされたことがあったが、今でもベンガル地方で行われる「ドゥルガー・プージャー」と呼ばれるドゥルガーを祭る秋祭りには動物の生贄が捧げられる。