多多美比古命

多多美比古命

たたみひこのみこと

「近江国風土記」逸文に見える神で、滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山を司る神。「夷服岳神(いぶきだけのかみ)」、「気吹雄命(いぶきおのみこと)」などの名でも呼ばれる。霜速比古命の子神であり比佐志比女命は姉、浅井比咩命は姪(あるいは妹の誤記か)にあたる。夷服岳(多多美比古命)と浅井岳(浅井比咩命)で丈の高さを競った時、浅井岳が一夜にして大いにその高さを増したので多多美比古命は大いに怒り浅井比咩命の首を切ってしまったという。この首は琵琶湖まで飛び島となったが、これが竹生島であるという。岐阜県不破郡垂井町にある「伊富岐神社(いぶきじんじゃ)」は「多多美彦命(たたみひこのみこと)」の名で多多美比古命を主祭神として祀っている。また滋賀県米原市伊吹にある「伊夫岐神社(いぶきじんじゃ)」の祭神は諸説あり、その中には多多美比古命も含まれているが、現在は「伊富岐大神(いぶきのおおかみ)」を祀る。

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  • This Page Last Updated: 2021-01-31