バビロニア神話における豊穣神。イシュタルの兄であると同時に夫。シュメール神話におけるドゥムジに相当するが、ドゥムジとは違い最初から神であり、イシュタルの実兄だった。死からよみがえったイシュタルの身代わりとして、妻により冥界へと送り込まれた。これはイシュタルが死んでいる間、タンムズが喪に服しもせず遊んでいた報復である。冥界に送り込まれたタンムズは、悪魔の手を逃れ二度も地上に帰還するが、結局冥界にとどまることとなってしまった。この神話は、彼が毎年死と再生、結婚を繰り返すことによって地上世界に豊穣をもたらす儀礼を象徴していると考えられる。
- 関連項目
- ニンギシュジダ