チベット仏教における忿怒尊の一種でダクシェの一人。名前は「シンジェ(ヤマ)の敵対者」を意味する。サンスクリットの「ヤマーンタカ(Yamāntaka)」の訳であり日本や中国でいう大威徳明王にあたる。チベットにはシンジェシェーマル、シンジェシェ・ダナク、ドルジェジクチェの三形態のヤマーンタカが伝わっており、これらは合わせて「シンジェシェ・マルナクジク・スム(gShin rje gshed dmar nag 'jigs gsum, Shinjéshe marnanjik sum)=ヤマーンタカ(シンジェシェ)の赤(マル)、黒(ナク)、怖畏(ジク)の三神(スム)」と呼ばれている。