チベット仏教における観音菩薩=チェンレーシクの一形態で変化観音のひとつ。名前はサンスクリットのシンハナーダ(Siṃhanāda)を訳したもので、日本の「獅子吼観音(ししくかんのん)→獅子吼菩薩」に当たる。一面二臂で装身具を身に着けず頭は髻を戴き獅子の上に輪王座で坐し、右手は膝下で垂下、左手は火炎のついた剣ないし華を盛ったカパーラ(髑髏杯)が乗った蓮華を持ち、背後に白蛇の巻き付いた三叉戟を背負った姿で表される。この三叉戟は病気を治癒する力の象徴と見做され、センゲダは病気や魔によって引き起こされるあらゆる災厄を除く仏尊として信仰された。