泣澤女神
なきさわめのかみ
日本神話において、伊邪那美命が火之迦具土神に腹を焼かれて死んだとき、その死を悲しむ伊邪那岐命から生まれた神。「泣澤女神」は「古事記」での表記で、「日本書紀」では「啼澤女命(なきさわめのみこと)」と記される。名前の「澤(沢)」は「沢山(たくさん)」という言葉で分かるように「多くの」といった意味があり、総じて「多くの涙を流す神」といった意味だと考えられる。涙と、涙を流すこと、泣くことを神格化した神であり、湧き出る水を神格化した神だと考えられ、水の湧き出るところ、井戸や泉、湖、沼を守護する神だともされる。古事記には「坐香山之畝尾木本」を記されており、これは今も奈良県橿原市にある「畝尾都多本神社(うねおつたもとじんじゃ)」のことと思われ、井戸を神体として泣澤女神を祀っている。
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