ミシュコアトル
Mixcóatl
アステカの7部族の一つ、トラスカラ族における狩猟神。語義は「雲の蛇」。ミシュコアトルという呼称は天の河を意味する言葉としても使われていた。トルテカ=チチメカの伝説的指導者「セ・テクパトル・ミシュコアトル」が死後に神格化されたもので、神としてのミシュコアトルの出自は人間としてのミシュコアトルとは全く無関係に綴られる。それによれば、母神は大地の神イツパパロトル、配偶神は蛇の女神コアトリクエだとされる(他にも神の妻がいたとされることもある)。ミシュコアトルとコアトリクエの間にはコヨルシャウキ、センツォンウィツナワック、センツォンミミスコアが生まれたが、末子のウィツィロポチトリだけはコアトリクエの元に落ちてきた「羽根のボールの魔力」によって妊娠したものなのでミシュコアトルの子ではない。
人間としてのミシュコアトル自身にも神話的伝説が伝わっており、彼の妻チマルマンは彼の放った弓によって、後にトルテカの首都トーリャ(トリャン)を創始する伝説的統治者となるセ・アカトル・トピルツィンケツァルコアトルを身ごもったという。アステカの18ある暦月の15番目「ケチョリ」にはミシュコアトルとカマシュトリ、それに彼等の配偶神が祀られていた。
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