マナナン・マクリル

マナナン・マクリル

Manannan MacLir

ケルト神話において航海を司る神であり、海神リールの息子。「マクリル」は「リールの息子」を意味し、「マナナン」はアイリッシュ海の中央部にあるマン島に語源を発する。海神と同時に魔術や治癒の神であり、「エヴヒン」と呼ばれる約束の地、つまり楽園の管理者である。トゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)がアイルランドをめぐる戦いに敗れたとき、彼らにエヴヒンを譲り渡し、若さを保つ酒や食べても減らない豚肉を与え、敵から姿を消す魔術を教えた。

勝手に目的にまで進む船と水陸両用で風のように走る馬(ないし戦車)を持っていて、それを使って世界中を旅しているとされている。高貴で美しい戦士の姿で描かれ、海を荒らしたり鎮めたりすることができるとされ、水夫や漁民、商人などに崇拝された。絶世の美女神ファンズを妻とするが、人間とも交わったため、マナナン・マクリルの子供は人間の子供も神の子供もいたという。

地域・カテゴリ
キーワード
文献
  • This Page Last Updated: 2016-01-28