国御柱神
くにのみはしらのかみ
記紀神話において風を司る女神であり、男神である天御柱神と対を成している。名前の「御柱(みはしら)」は恐らく竜巻を形容したものであろう。この両神は共に奈良の竜田神社の祭神であり、国御柱神は日本書紀に「級長戸辺命(しなとべのかみ)」の名で見える。「級長戸(しなと)」とは「科戸」のことで風が起こる場所を、「辺(べ)」は「女(め)」が変形で女性であることを示す。また日本書紀では続いて級長戸辺命の別名として「級長津彦命(しなつひこのみこと)」を挙げているが、これは明らかに対になるべき男神(つまり天御柱神のこと)で間違って表記されたものと考えられる。国御柱神はまた「志那都比売神(しなつひめのかみ)」とも呼ばれる。