久久年神
くくとしのかみ
「古事記」において羽山戸神と大宜都比売との間に生まれた八柱の御子神のうち第七子とされる神。「クク」を「茎(クキ)」や「木々」の変化、あるいは草木が立ち上るさまと解し、農作物の生育ないし収穫を司る神であると考えられている。「先代旧事本紀」では「冬年神(ふゆとしのかみ)」とされ、夏高津日神、秋毘売神に続く神名のため自然に思えるが、古事記文中では「久久二字以音(久久の二字は音を用いる)」と注されており、齟齬が見られる。松尾大社の境内社である「四大神社(しのおおかみのやしろ)」に春若年神(はるわかとしのかみ=若年神)、夏高津日神、秋毘売神とともに、冬年神が祀られるほか、奈良県奈良市法蓮町にある式内社「狭岡神社(さおかじんじゃ)」は羽山戸神の御子神八柱を合わせて祀っている。