河伯かはく
Hé-bà
中国神話・道教における黄河を支配する河の神。また、河の神を総称して河伯と呼ぶこともある。河伯は黄河に似合って数ある河の神の中でも最も重要、強力な神とされ、豊作や降雨を授ける力があるとされた。すでに殷(~紀元前10世紀頃)の時代から河伯に対する祭祀は行われていて、おもに牛などが生贄として捧げられた。また、時代によっては巫女などが住民の娘を全員花嫁として飾り立て、ベッドに寝かせて沈めて生贄にした時期もあったという。広く信じられている説では冰夷(あるいは憑夷=ひょうい)という男が渡河中に溺死し、天帝から河伯に命じられたのだとされる。また道教では冰夷が薬を飲んで水の仙人となり、河伯になったとされる。洛水の女神である雒嬪がその配偶神であるとされる。
かつて河伯が暴風雨の中に出現したは水の車に乗り、二頭の龍に車を引かせ、螭を添え馬にしていたという伝説が残っている。また、河伯自体は人頭魚体ともいわれ、明朝の頃からは龍の一種と考えられるようになったといわれている。
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