月光菩薩

月光菩薩がっこうぼさつ

Candra-prabhā

仏教において、日光菩薩とともに薬師如来の右脇に侍する脇侍として知られる菩薩。サンスクリット名を「チャンドラプラバ(Candraprabha)="月の輝き"の意」、あるいは「アーリヤチャンドラプラバ(Ārya-candra-prabha)="聖なる月の輝き"の意」といい、「月光王(がっこうおう)」、「月光遍照(がっこうへんじょう)」、「聖月光(しょうがっこう)」などの名でも呼ばれる。また音写では「戦達羅鉢剌婆(せんだらはらば)」、「賛捺羅鉢羅婆(さんだらはらば)」と呼ばれる。
単身で配されることは殆ど無く、薬師如来を中心に挟んで日光菩薩と対照的なポーズをとっていることが多い。薬師如来の治癒力の手助けをする菩薩で、その光明で病苦を除くとされる。金剛界曼荼羅では賢劫十六大菩薩の一尊として檀外の西方(上側)の4尊のうち北(右)から一番目に配される。その像容は白色の身色で右手、或いは両手で半月の載った蓮華を持つ姿で表される。胎蔵界曼荼羅では文殊院の北側(左側)の中央から第四位に配し、三髻の童子形で左手に未敷蓮華を持ち、右手に半弦月の載った細葉の青蓮華を持ち赤蓮華に座す姿で表される。

種字は「च(ca)」、「चं(caṃ)」、密号は「威徳金剛(いとくこんごう)」(胎蔵界)、「清涼金剛(しょうりょうこんごう)」、「適悦金剛(てきえつこんごう)」(金剛界)、三昧耶形は青蓮華上半月(胎蔵界)、半月、半月幢、印相は右手に人差し指と親指を捻るもの(持花印)、真言は「曩莫三曼多沒馱南戰拏羅鉢羅婆野縛莎呵(なうまくさまんだぼだなんせんだらはらばやそわか)」(T2476)。

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  • This Page Last Updated: 2022-03-25