日本神話に登場する神。「古事記」でのみ登場し「日本書紀」では言及されない。同訓で「天狭霧神」とも書く。国之狹霧神とともに大山津見神・野椎神の両神から生まれた神で、伊邪那岐命と伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として24番目に数えられる。名前の通り山野の霧の神だと考えられる。本居宣長は「古事記伝」で峠を守護する境神であろう、としている。神産みの段以外では、大国主神の系譜が語られる段で遠津待根神の親として出てくる。
埼玉県長瀞町の「簗瀬神社(やなせじんじゃ)」、滋賀県長浜市の「水上神社(みなかみじんじゃ)」、島根県奥出雲町にある「仰支斯里神社(かみきりじんじゃ)」などにおいて祀られる。