天甕津日女命

天甕津日女命

あめのみかつひめのみこと

出雲国風土記」に登場する女神の一柱であり、「赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命(あかぶすまいぬおおすみひこさわけのみこと)」の妃神とされる。「出雲国風土記」に拠れば秋鹿郡の伊農郷は天甕津日女命が出雲を巡り歩いていた時、この地で「伊農波夜(いぬはや=伊農よ、と夫神に呼びかけた)」と言ったので「伊農」という地名になったという。神名の「ミカ」とは水を入れる器であり、夫神やその親である「八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)」とともに水に関係ある神だと考えられる。「尾張国風土記」逸文には「多具国(たぐのくに)」の神として「阿麻乃弥加都比女(あまのみかつひめ)」という神が登場するが、多具国が多久郷(現出雲市多久町付近)を指すと考えれば、この両神は同体と思われる。また「出雲国風土記」において多宮村(たくむら)で「多伎都比古命(たぎつひこのみこと)」を産んだという「天御梶日女命(あめのみかじひめのみこと)」も本来は同神ではないかと考えられる。

赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命とともに「伊努神社(いぬじんじゃ)」に祀られるほか、愛知県一宮市にある式内社「阿豆良神社(あずらじんじゃ)」において主祭神として祀られている。

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  • This Page Last Updated: 2026-02-01