インド南部のケララ州やその近隣の州で信仰される地方神。「アイエナル(Iyenar)」の名でも呼ばれる。シヴァとヴィシュヌの間に生まれた神とされる。不老不死の霊薬「アムリタ」がアスラに奪われたとき、ヴィシュヌは美女に化けてアスラを誘惑しこれを奪い返したが、この時シヴァが美女になったヴィシュヌを見て愛欲を抑えきれず、交わって生まれたのがアイヤッパンだという。このため「シヴァ(=ハリ)とヴィシュヌ(=ハラ)との間に生まれた子」という意味の「ハリハラプトラ(Hariharaputra)」の名前でも呼ばれる。悪霊を追い払い、末世を救う神であり、また農業や家畜を守護する神として信仰を集めている。