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説明
「古事記」や「日本書紀」に言及される神。古事記では「意富多多泥古命」ないし「意富多多泥古」、日本書紀では「大田田根子(おおたたねこ)」と表記され、ほかに「大田田祢古命(おおたたねこのみこと)」、「大直祢古命(おおたたねこのみこと/おおただねこのみこと)」、「大田田根子命(おおたたねこのみこと)」などとも記される。古事記では「建甕槌命(たけみかづちのみこと)」(天尾羽張神の子神の建御雷之男神とは別神)で大物主大神(→大国主神)の四世の孫(つまり玄孫)とするが、日本書紀では大物主大神と活玉依毘売の子神とする。また「先代旧事本紀」は大国主神の八世の孫、「新撰姓氏録」は五世の孫とする。崇神天皇の時代に疫病が流行った時、大物主神が天皇の夢に現れ「意富多多泥古によって我を奉れ」とのお告げがあったのでこの者を探し出し、尋ねたところ大国主神の子孫だと分かり、お告げの通りこの意富多多泥古命を斎主として御諸山の「意富美和之大神(おおみわのおおかみ)」を拝祭したところ疫病は収まり国は平和になったという。神名の「タタネココ」とは「直系(ただね)の子」のことで神の直系であることを強調した神名であると考えられる。意富多多泥古命は大神氏(大三輪君)の祖となった。
「大神神社(おおみわじんじゃ)」の摂社である「大直禰子神社(おおたたねこじんじゃ)」に祀られるほか、大阪府堺市中区にある式内社「陶荒田神社(すえあらたじんじゃ)」の摂社「太田神社(おおたじんじゃ)」、茨城県桜川市加茂部の「鴨大神御子神主玉神社(かものおおかみみこかみぬしたまじんじゃ)」などに祀られる。
関連項目
参考文献
- 18日本の神様読み解き事典
- 著者:川口謙二
- 編集:川口謙二
- 発行者:芳賀啓
- 発行所:柏書房株式会社
- 20古事記 祝詞 日本古典文学大系1
- 発行者:岩波雄二郎
- 発行所:株式会社岩波書店
- 21古事記(上)-全三巻-
- 発行者:野間佐和子
- 発行所:株式会社講談社
- 22日本書紀(一)〔全5冊〕
- 発行者:山口昭男
- 発行所:株式会社岩波書店
- 58大日本神名辞書
- 編集:明治神社誌料編纂所
- 発行者:伊藤岩治郎
- 発行所:明治神社誌料編纂所
- 59神道大辞典
- 監修:下中弥三郎
- 発行者:下中弥三郎
- 発行所:平凡社