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説明
北欧神話における冥界の女王。その強大な権限によって女神の一柱に数えられることもある。父は姦計の神ロキ、母は女巨人のアングルボザ。フェンリルとヨルムンガンドは兄にあたり、この3人は「不幸をもたらす三兄弟」と呼ばれる。霧の国ニブルヘイムにオーディンによって放逐され、ヘルという国とその下層にあるニブルヘルという国(どちらも死者の国)と、また全世界の死者の運命を支配する。半身が青黒く、半身は肉の色────つまり半ば腐敗した女の姿をしている。ニブルヘイムにおいてヘルに仕えている臣民は全て病や老齢によって死んだ者であるとされる。ヘルは冥府の女王であるが人間や神を殺す権限を持たない(運命や寿命を司るのはノルン)。ただ死者を生き返らすような試みに対してはヘルの許可が要る。光の神バルドルが死んだとき、オーディンはヘルモズをニブルヘルに使者としてつかわせ、バルドルを生き返らせる許可をヘルに求めた。
関連項目
キーワード
参考文献
- 01西洋神名辞典 DICTIONARY OF GODDESSES AND GODS
- 監修:山北篤
- 著者:稲葉義明、桂令夫、他
- 発行者:高松謙二
- 発行所:株式会社新紀元社
- 09ヴィジュアル版世界の神話百科 ギリシア・ローマ/ケルト/北欧
- 著者:アーサー・コットレル
- 翻訳:松村一男/蔵持不三也/米原まり子
- 発行者:成瀬雅人
- 発行所:株式会社原書房