フェニックス

Phoenix

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説明

エジプト神話に登場する霊鳥。ヨーロッパで紀元前4世紀頃に紹介され現在でも広く知られている。太陽の鳥「ベンヌ」を起源とすると考えられている。世界に一羽しかいない美しい鳥で、鷲に似た姿をしており、首の周りが金色、身体は紫で、薔薇色の混じった青い尾を持っている。「フェニックス」という名称はラテン語で、ギリシア語では「ポイニクス(Phoinix)」と呼ばれ、この名は「紫」からきている。アラビアの砂漠にすみ、シナモンなど香料になる木の小枝などを集めて巣を作り、五百年あるいは六百年ごとに焼け死ぬが、その灰の中から再び若い姿をして生きかえってくるという。

フェニックスは不死と再生の象徴とされ、キリスト教の形成時キリストの復活と関連付けられ教会の祭服や備品、建物の装飾などにその図像が重用された。キリスト教の文献では様々な色に彩られた華やかな羽を持つ鳥とされ、再生のサイクルは4年(1461日)とされた。炎の中を自由に動ける動物として、時に混同されるサラマンダーとともにヨーロッパの貴族や火災保険に関わる建物の紋章などに広く用いられている。

画像一覧

フェニクス(Fenix)

「動物寓話集(ジェラルド・オブ・ウェールズのトポグラフィア・ヒベルニカからの追加を含む)(A bestiary with additions from Gerald of Wales's Topographia Hibernica)」(12世紀後半-13世紀前半)より
ページ:f045r
著者不明
大英図書館(British Library)蔵
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フェニックス(Fenix)

「自然の魅力(Der naturen bloeme/The Flower of Nature)」(1350)より
ページ:f083vb
ヤーコブ・ファン・マールラント(Jacob van Maerlant)著
オランダ国立図書館(Koninklijke Bibliotheek/Royal Library of the Netherlands)蔵
Copyright : pubric domain

フェニクス(Fenix)

「動物寓話集(Bestiary Bodleian Library MS. Bodl. 764)」(1226–1250)より
ページ:f070r
著者不明
ボドリアン図書館(Bodleian Library)蔵
Copyright : pubric domain

フェニクス(Fenix)

「動物寓話集(Bestiary Bodleian Library MS. Bodl. 764)」(1226–1250)より
ページ:f070v
著者不明
ボドリアン図書館(Bodleian Library)蔵
Copyright : pubric domain

関連項目

キーワード

参考文献

  • 03
    幻想動物辞典 DICTIONARY OF THE MONSTER
    • 著者:草野巧
    • 編集:株式会社新紀元社編集部
    • 発行者:高松謙二
    • 発行所:株式会社新紀元社
  • 10シリーズファンタジー百科
    世界の怪物・神獣辞典
    • 著者:キャロル=ローズ
    • 発行者:成瀬雅人
    • 発行所:株式会社原書房

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