ローマにおける青春の女神。ギリシアのへべとは異なり成年男子の保護神であり、少年の成人式には賽銭を奉る。テルミヌスとともに、ユピテル、ユノ、ミネルワの3主神とならび、カピトリヌス丘上の「ユピテル・オプテムス・マクシムス(至善至高のユピテル)」の神殿中に社を与えられていたことから、その最高神との密接な関係が察せられる。元来は社会の組織者として最高神を補佐する神格であったと思われ、この機能の名残として、ローマで成年に達した男子が、それまでの子供の服をトガ・ウィリリスと呼ばれた成人の衣服と替える、「元服」の儀式が、この女神の管掌下に置かれていたことにも認められる。