日本記紀神話において、伊邪那岐命が禊をしたときに大禍津日神とともに生まれた神。古事記には「八十禍津日神(やそまがつひのかみ)」、日本書紀には「八十枉津日神(同訓)」あるいは「八十綾津日神(やそあやつひのかみ)」の名で見える。「八十」とは数が多いこと、「禍」はわざわい、「津」は「~の」の意の格助詞、「日」は「霊」を示す。死者の世界の穢れ(けがれ)を神格化した存在。「吉凶」の「凶」を司る二神であり、その後すぐ生まれた、神直毘神、大直毘神と対応している。この二神は一方的に災厄をもたらす神ではなく、正しく祀れば災厄を祓うことができるとされる。
- 関連項目
- 祓戸大神
- 瀬織津比咩神