薬王菩薩

薬王菩薩やくおうぼさつ

Bhaiṣajyarāja

仏教における菩薩の一尊。サンスクリット名を「バイシャジャラージャ(Bhaiṣajyarāja)」といい、バイシャジャは「薬」、ラージャは「王」と訳せるため「薬王菩薩」と呼ばれる。また音写では「鞞逝捨羅惹(ひせいしゃらじゃ)」、「俾沙闍羅耶(びしゃしゃらや)」などと記される。「観薬王薬上二菩薩経」に拠れば、瑠璃光照如来が入滅した後の像法の世に日蔵という名の比丘がおり、衆生に如来の平等大悲の教えを説いていた。その衆生の中にいた「星宿光(しょうしゅくこう)」という名の長者は、日蔵の説法に歓喜し、訶梨勒果(かりろっか=生薬として用いられた果物)や種々の薬を日蔵比丘や衆生に施した。星宿光はこの功徳をもって薬王菩薩となったという。また星宿光の弟である「電光明(でんこうみょう)」も同様に薬上菩薩となったとされる。

薬師八大菩薩の一尊であり、また二十五菩薩の一尊ともされる。さらに三十三観音の一尊である楊柳観音とは本誓を等しくするため同体とみなされる。来世では「浄眼如来(じょうげんにょらい)」となるとされる。

種字は「भै(bhai)=鞞」、真言は「唵鞞逝捨羅惹耶莎訶」ないし「曩莫三曼多沒駄南訖叉拏多羅閻釼莎呵」、三昧耶形は阿迦陀薬ないし蓮華。

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  • This Page Last Updated: 2021-08-11