日本の徳島県や高知県に伝わる妖怪。鬼の一種とされ、節分、大晦日、庚申待の夜、夜行日(1,2月の子の日、3,4月の午の日、5,6月の巳の日、7,8月の戌の日、9,10月の未の日、11,12月の辰の日)など特定の日に首のない馬に乗って現れ村を徘徊するという。夜行さんが首なし馬に乗らずに現れる地方もあるし、単独で首なし馬が現れ、この首なし馬を夜行さんと呼ぶ地方もある。精螻蛄のように特定の日(の夜)に家からの外出を制限するために想像された妖怪だと考えられる。夜行さんに出会った人間は蹴り殺されてしまうとされるが、地面にひれ伏して草履を頭に戴けば助かる、という話も残っている。