エジプト神話において、オシリスとイシスの間に生まれた子で、オシリスの補佐役とされる神。「ウプウアウト」とも呼ばれる。名前は「道を開く者」という意味を持ち、戦端を切り開く神あるいは死者に冥界への道を示す神だと考えられた。このことからウェプワウェトは「二つの国を開く者」と称される。元々は上エジプトの第13ノモスの州都であるアシウト(リコポリス)の守護神であり、大盾の上に立つ黒いジャッカルあるいは犬、ないし黒犬の頭を持つ男の姿で表される。この姿は同じくオシリスの息子であるアヌビスの姿に酷似している。兵士たちを導く女神ネイトと関連視される。