ヴリトラ

ヴリトラ

Vritra

古代インドにおける悪神でアスラの一人。名前は「遮蔽物」を意味する。「リグ・ヴェーダ」によれば、水をせきとめて旱魃をもたらす大蛇あるいは竜だったという。雷神インドラは一回戦ったときにヴリトラに飲み込まれたが生還して再び戦い、ヴァジュラ(金剛杵)によってヴリトラを退治した。後世の叙事詩「マハーバーラタ」には人型の神としてかかれたが、ここでもインドラによって倒されることになる(このためインドラは「ブリトラハン(=ブリトラを殺した者)」という異名がある)。闇や災害、自然の非生産的な力などを象徴し、人間から知性の光を奪うとされる。

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  • This Page Last Updated: 2022-03-25