ウワプ

ウワプ

Uab

パラオの創世神話に登場する原初の女巨人。女性の巨人は巨人型創世神話には珍しい。女神ツランが男性神を伴わずに一人の力で産んだ子供。ツランはウワプを最初は家に座らせていたが、どんどん大きくなるのでうずくまらせた。それでもまだ大きくなるので今度は家の外に立たせることにした。最初のうち棒の先に食べ物をぶら下げて与えていたが、ついにはそれさえも届かなくなった。困ったツランがラッツムギカイに相談すると、足元に薪を積んでウワプを焼けという。薪を積んでいるとウワプがツランに何をするのかと聞いてきたのでツランは焚き火をするのでおまえの足が熱くなら無いように木を積んでいるのだと答えた。ウワプは「オ・メラオル(汝欺く)」といった。ツランが何をしようとしているか分かったからだ。火に焼かれたウワプは倒れてパラオの豊かな土壌となった。ベラオ(パラオ)という島の名はこの「メラオル」が変化したものだと説明される。

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  • This Page Last Updated: 2022-03-25