豊石窓神

豊石窓神

とよいわまどのかみ

「延喜式」や「古語拾遺」などに見える門を司る神の一柱。延喜式では「豊石窓神」、「豊磐間門命(とよいわまとのみこと)」、古語拾遺では「豊磐間戸命(とよいわまとのみこと)」という名で記載される。また「豊石窓命(とよいわまどのみこと)」、「豊磐窓命(とよいわまどのみこと)」、「豊磐間戸神(とよいわまとのかみ)」などの名でも呼ばれる。神名の「トヨ」は豊穣を表す敬称、「イワ」は岩の様に堅固であること、「マト/マド」は「真の門」を表すと考えられる。「古事記」においては櫛石窓神とともに天石門別神の別名と解されているが、古語拾遺に拠れば布刀玉命の子神であり、天照大御神の岩戸隠れにおいて櫛石窓神とともに瑞殿(みずのみあらか=天照大御神のために新しく作った新宮)の門の守衛に任じられたという。櫛石窓神、豊石窓神の両神は「御門神(みかどのかみ)」として皇居の四方にある御門全てを昼夜問わず守護するとされ、「御門巫祭神八座」として四方全てに両神が祀られる。

兵庫県篠山市にある式内社「櫛石窓神社(くしいわまどじんじゃ)」、奈良県橿原市忌部町にある「天太玉命神社(あめのふとたまのみことじんじゃ)」、賀茂別雷神社の摂社である「棚尾神社(たなおじんじゃ)」などに櫛石窓神とともに祀られる。

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  • This Page Last Updated: 2017-01-04