太兵衛蟹
たへいがに
島根県松江市鹿島町佐陀本郷の佐陀川沿岸に現れたという化け蟹。「島根県口碑伝説集」や「松平不昧伝」などに見える。江戸時代に宍道湖流域の水害を減らすための治水工事として、清原太兵衛(きよはらたへい)の指揮のもと佐陀川の開削が行なわれていた時、堰を築いて水を湛えようとしても何度も崩れてしまい、一向に工事が進まないことがあった。人夫から人柱を選び水神に供したところ工事は急に進展し、間も無く完成に至ったが、人柱となった人夫は怨念により紅い鋏を持つ蟹となり堤防に絶えず穴を開けるようになった。これを太兵衛蟹と呼ぶようになったという。
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