檀那波羅蜜菩薩

密教における菩薩の一尊。サンスクリット名を「ダーナパーラミター（Dānapāramitā）」と称する。彼岸（悟り）に至る行法を「波羅蜜（はらみつ）」といい、波羅蜜を分類したうちの「六波羅蜜」および「十波羅蜜」のうちの一つである「檀那波羅蜜（だんなはらみつ）」を仏格化したもの。「檀波羅蜜菩薩（だんはらみつぼさつ）」、とも呼ばれる。また「ダーナ」は「与えること」や「贈ること」を意味し「布施」と訳すため、この仏尊も「布施波羅蜜菩薩（ふせはらみつぼさつ）」、「施波羅蜜菩薩（せはらみつぼさつ）」とも呼ばれる。胎蔵界曼荼羅の虚空蔵院の北側（左側）中央より第一位に配される。その像容は肉色羯磨衣を身に着け左手に花を持った金盤を持ち右手は人差し指、中指、薬指を金盤にかけて、赤蓮華に座す姿で表される。
種字は「द（da）」、密号は「普施金剛（ふせこんごう）」、三昧耶形は甘菓。印相は右手の掌を仰ぎ、印相は右手の親指と中指を相捻し余った指を広げ伸ばすもの、あるいは法界定印、真言は「唵婆誐嚩底娜曩地跛帝尾娑㗚惹布羅野娜難娑嚩賀」（檀波羅蜜菩薩真言・T0852）